神奈川の雄「聖光学院」が重視する体験型学習の”遊び心“と非認知能力【名門校のトリビア】

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本日の記事は、神奈川の名門「聖光学院」です。

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02年にスタートした学校が誇る体験型講座「聖光塾」

学校関係者が「自慢のプログラム」と胸を張るのは、02年にスタートした「聖光塾」なる体験型学習講座。中1が行う「おもしろ実験教室」では、レモン電池や熱気球など、理科の教科書には出ていない実験に臨む。中1・2の三浦半島観音崎での体験学習では、潮だまりを観察したり、潜って採取した生物の標本づくり。中2・3の「フライフィッシング入門」では、生徒が自分で製作した毛バリを使って、ニジマス釣りに挑戦する。中1から高2までの各学年では、思考力を養うための「数学講座」もある

バラエティに富んだ面白そうな講座が沢山ありますね。

実際に体験をしたり教科書の内容をさらに深堀する講座もあるようで、興味深いです。

イチオシは課外活動プログラム「ジョブシャドウィング」

 他にも「本気の昆虫採集」、「里山の自然」、「ロボットを作ろう・動かそう」、「宇宙エレベータプロジェクト」など、ユニークな講座が目白押し。年間25以上の講座がある中で、イチオシはNPO法人の協力を得て行っている高1・2向けの課外活動プログラム「ジョブシャドウィング」だ。夏休みに企業、病院、大学研究室、建築事務所などに出向き、社会人に1日密着する。その姿を生徒一人ひとりが自分たちの目で確かめ、働くとはどういうことなのか、肌で感じようというのだ。ただ、残念ながら、同プログラムはコロナ禍のせいで20年以降は中止になっている。

実際に働いている現場に行き、働いている人達に密着して学ぶというのは良い取り組みですね。

これで思い出したのは、日本でも大企業経営者などを中心に根強い人気のあるヘンリーミンツバーグ教授

ミンツバーグ教授は、(戦略論で著名な)マイケル・ポーター教授としばしば論戦を張ったり、MBAが会社を滅ぼすという本などでMBA教育に対して批判的な見解(簡単に言えば、MBAは理論教育に重きを置き過ぎており、経営の持つアートやクラフトといった面を軽視しているという主張)を持っている方です。

横道に逸れましたが、ミンツバーグ教授は一貫して「マネージャーが何をしているのか」という点を研究していますが、その際、マネージャーに張り付いて、その行動をつぶさに観察(observation)するスタイルで研究しているということを、記事に書かれている聖光学院の例で思い出しました。

日本人初の学校長が打ち立てた3本柱

聖光塾は今や聖光学院の教育にとって欠かせないアイテム。そこまで昇華させた功労者の一人として、真っ先に名前が挙がるのは聖光学院OBの工藤誠一校長(学校法人の理事長を兼任)。(中略)人をまとめる力は、教員になってさらに磨きがかかった。これがいいと思ったら、率先して自ら動いて進めていく先生です」(学校関係者)

会社では社長が極めて重要であるのと同様、学校では校長先生がとても重要ということですね。

校長に就いた工藤氏は3つの柱を打ち立てた。まず「脱・進学校」。進学校としての特長を消そうというわけではない。しかし、大学受験だけに重きを置いてしまうと、生徒の非認知能力が育たないと工藤校長は考えたのである。認知能力は学力や知能指数など、数値化できるもの。一方、非認知能力は自己認識、意欲、忍耐力、協調性、対応力、創造力など、数値化しにくいものを指す。将来を豊かにするために欠かせない能力で、幼児期・学童期に加え、第2成長期である中学・高校の時期に一気に伸びると考えられている。(中略)3つの柱の残りの2つは「生徒を学校に縛りつけない」と「開かれた学校」。自由な環境の中で、生徒たちが自身の才能を見つける機会をより多く提供するのが狙いだ。

記事には書かれていませんが、塾に行かなくても、学校の授業や教材だけで東大や国公立の医学部をはじめ、難関大学に合格できるようなカリキュラムが組まれている、と聞いたことがあります。

優秀な生徒さんに「少し違った視点」をもってもらって、視野を広げていく教育が行われているようです。

そう言えば、元「オフコース」の小田和正さんも聖光学院出身。
当時の学園祭はさぞ盛り上がったでしょうね。

(補足)充実した入試サイト

記事に書かれていませんが、中学受験に少し役立つ情報を一つ。

聖光学院入試サイトは非常に充実しているので、中学受験生をお持ちの親御さんは(志望校でなくても)一度チェックした方が良いと思います。トップページの「入学をご希望の方へ」から飛ぶことができます。

その中で、「中学入試問題 解説資料」というのは必見です。科目別に中学入試の問題の出題意図や勉強のアドバイスなどが盛り込まれています。しかも、学校の先生が書かれているので信頼性も非常に高い

記事中の「開かれた学校」という点にも通じますが、同時に、「こうした資料を一般公開できるということは、中高のカリキュラムも非常に充実しているだろう」ということが容易に推測できます。

 

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