本日の記事はこちら ↓ 日経新聞の連載です。
「合格歴競争」格差を再生産 難関突破、親の経済力次第 教育岩盤 揺らぐ人材立国(4) - 日本経済新聞
2月1日、私立中学の最難関、開成中(東京・荒川)の入試会場に向かう受験生を小4男児と父母が見つめていた。2年後の本番に向けた「見学」という。小1からの塾通いに月10万円かける母親(41)は「東京大に受かるためなら高くない」と言い切る。慶応義...
記事の前半は多額の教育費(塾代)をかけないと難関大学には入れないという話。
お決まりの経済格差と学力格差の話です。
「勉強する自由」が制限されている時代ならともかく、今の時代、お金をかけなくても勉強することは可能です。
なので、経済格差と学力格差をことさら結び付けようとしてもあまり意味がない(結び付けて議論しても解決の道が見えないので不毛)と思います。
もちろん、ヤングケアラーの問題や貧困により各種機会を奪われている方々への支援は真剣に考える必要はあります。
しかし、総体としては、お金をかけずに学べる可能性、学ぶことの意味などを示す方が建設的なように思います。
一方、マイケル・サンデル教授が指摘するように、米国においても恵まれた境遇から難関大に入った一部の「能力主義的エリート」とそうでない人々との間で、社会的分断が生まれています。
記事の最後に、「弱者の立場で物事を考えられる人材の育成」の重要性が指摘されています。
恵まれた中高一貫校の学校教育を受け、難関大学に入った学生は、(社会に出るまで)恐らく「弱者の立場」を身をもって理解するのは難しいでしょう。
難関大学に入った若者たちは、自分の得意技が生かせるアルバイト(=家庭教師や塾講師など)ではなく、むしろ自分が不得意な領域のアルバイトやボランティア活動をしてみると良いと思います。