東京の子どもは「小4の壁」より「低学年の壁」! 中学受験がもたらすハード過ぎる現実とは

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本日の記事はこちらです。前回に引き続き「低学年向け」の記事となります。

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10歳の壁

小学生の子どもを持つ保護者が一度は耳にしたことのあるフレーズ、それが「小4の壁」です。(中略)学習内容が抽象的になり思考力が必要とされる時期であることや、自他の違いを意識し始める不安定な時期であることなどが原因とされているが、明確な根拠はない」(知恵蔵mini、朝日新聞出版) を意味します。このほかにも「10歳の壁」「9歳の壁」はたまた「小3の壁」(という)言葉もあります。それだけ子どもの成長にとってこの年齢は大きな節目になっているのです。

10歳の壁はときどき耳にする言葉ですが、明確な定義はないようです。

また、子供の成長スピードや成長段階に応じて発現するタイミングも異なること指摘されています。

なお、記事では学力面における「10歳の壁」をとりあげていますが、生活面や体力面における「10歳の壁」というものもあるようです。

通塾開始の低年齢化リスク

このような通塾開始の低年齢化
・早いうちから中学受験に慣れさせたい
・人気のある学校の席が埋まる前に入れさせたい
・入塾テストの難易度が高まる前に入れさせたい
といった思惑に支えられています
中学受験に特化した塾ではたとえ低学年であっても、公立学校の域を飛び越えた内容を学ぶため、基礎学力があっても余裕を持ってついていける子どもは多くはありません。学校の授業は問題なくついていけるが、塾の内容はハードという具合です。そしてなによりも気をつけなければならないのが、7~8歳の時期は思考力や読解力などで個人差が大きいということです。つまり、東京を始めとする中学受験熱の高い地域では、一般的に学力差が顕著になる10歳前後よりも早くから、子どもが習熟度や理解力の差を感じる場面に遭遇しやすくなります。

この部分は非常に重要な指摘だと思いました。

進学塾の授業はかなり先どりになっています。学力差が顕著に出る「10歳の壁」を、10歳より低い年齢で乗り越えていくことが想定されています。考えてみれば、これは相当に過酷なことです。

さらに、「10歳の壁」(9歳の壁,小3の壁…)は無事乗り超えられても、中学受験カリキュラムが進んでいくにつれ(先取り学習になっていくため)、小5や小6においても次々と壁が立ちはだかります。さながらサバイバルゲームの様相を呈しているとすら言えます。

 

子どもが幼いころは自身の能力以上に、個々の成長速度の影響が濃く出ます。残酷なことですが教育環境が似通っていても、結果が同じとは限りません。塾に通うことで壁を越えるどころか、いとも簡単に壁を破壊する早熟な子どももいる一方、壁を越える前に挫折感を味わう子どももいます。

本来ならば、10歳の壁も問題なく超えられた子供たちであっても、学齢が早い段階で塾の難しい勉強に直面し、勉強が分からなくなったり、勉強嫌いになったりする危険性があるわけです。

これは塾通いの負の面として認識しておく必要があると思います。

中学受験の特性を認識する

親が周囲に翻弄(ほんろう)されたり、前のめりになったりせず、冷静に子どもの性格を把握することが求められます。東京で中学受験は市民権を得ているため、早熟な子どもには有利な教育環境になっています。両者の差が縮まるのは中学以降です。就学前後から見られる差を少しでも埋めようと、子どもを無理やり勉強漬けにさせるのは避けなければなりません。机上の勉強だけでなく、読書などから語彙(ごい)を、親との会話から知識を増やすことが、「小4の壁」やその前にある小さな壁を乗り越える体力になります。子どもの持つポテンシャルを最大限に引き出し、壁を越えるときを迎えられるよう、日頃から気をつけていくことが求められています。

中学受験の特性上、早熟な子が有利なのは明らかです。

それは、個々人の成長スピードに差がある小学生という段階において、小6の2月(東京の場合)という同じタイミングで一斉に学力が測定されるからです。

大学受験や高校受験とは違い、中学受験は子供の成長過程に大きな影響を受けるという点にその特徴があります。

お子さんが通う中学受験塾では、周囲の皆が中学受験をするので意外に気が付きませんが、実は「子供たちは相当無理をしている」という点は認識しておく必要があると思います。

もちろん、中学受験をする以上はそうした現実(=早熟性が試される試験)を受け入れざるを得ません。

しかし、あまり親が前のめりにならず、時に冷めた目を持つことも必要だと思うのです。

 

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