算数1教科入試の意味

中学受験
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管理人
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今日は近年増えている「算数1教科入試」(午後入試)に関する話題です。

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確かに、算数が得意なお子さんに有利だが…

学校側も算数だけで合否を決めるわけですから、通常入試よりはハイレベルな出題をして算数が得意なお子さんを取りたいという意図で問題を設定しています。したがって、他の科目はあまり点が取れないけれど算数は飛び抜けて得意であるというお子さんにとっては、強みを生かすことができるよい入試制度と言えます。

算数1科目入試の場合、他科目が苦手でも算数が得意ならば「強みが活かせる」とは思います。

また、受験勉強のスタートが少し遅れてしまった場合、理科や社会まで手が回らない場合があります。その場合にも算数1科目で受験できる学校があれば、「算数を頑張って勝負してみよう」ということで、選択肢の幅が広がります。

一方、「併願戦略」という観点からは、少し違った見方ができます。

2月1日午前校の「併願先」としての午後受験

近年、私立中学入試では午後入試に算数のみで受験できる1教科入試を導入する学校が増えてきています。 算数1教科入試の受験者数は、各学校ごとに増減はありますが、神奈川以外はおおむね倍率は高めで推移している学校が多数を占めています。

ご存じの通り、東京受験のピークは2月1日。
多くの受験生が2月1日に本命校や準本命校を受験するものと考えられます。

試験当日は筆記試験だけであれば午前中に、面接がある場合には(順番にもよるでしょうが)概ね2時頃には終了するものと考えられます。

午前中で試験が終われば、午後移動して(算数と国語の)2科目受験も十分可能ですが、午前中4科目受けて午後2科目はやはり厳しい。

しかも、(午前中の試験が)午後の時間帯におよぶ学校の場合、午後2科目受験しようと思っても、時間的に間に合わない可能性もあるわけです。

そこで1科目受験です。

1科目であれば、午後の比較的遅い時間帯に試験時間が設定されるケースが多いので、2月1日に(4科目)試験を受けるほぼすべての受験生を対象にすることができます。

しかも、東京都区内に立地する学校であれば、(午前受験をした学校からの)移動時間も短くなるので、(2月1日に本命校を受けるとすると)併願戦略組む際の「押え校」になります。

特に、今年のような新型コロナの影響がある場合、(埼玉・千葉の)1月の前受けを最小限に留めたいというご家庭のニーズはそれなりにあったと推測されます。結果、2月1日以降の日程だけで受験校を選んだご家庭も少なくなかったのではないかと思われます。

その意味では、算数が得意かどうかという視点だけでなく、「併願戦略としての午後受験」という点から1科目(算数)入試の学校を検討する余地が大きいように思います。

「神奈川以外はおおむね倍率は高めで推移している学校が多数を占めています」とありますが、午前受験をした後の移動という「立地上の利便性」を活かせる学校(=都区内の学校)の倍率が比較的高かったということが言えるかもしれません。

 

必ずしもハイレベルな問題が出題されるわけではない

基本となるのはやはり4教科入試ですから、まずは4教科で満遍なく点数を取れるようになることを目指して学習を続けることをおすすめします。そのうえで、算数が飛び向けて得意な場合、他の教科の点数が中々伸びない場合に、算数1教科入試での受験も視野に入れてハイレベルな問題に取り組み、力を伸ばしていきましょう。

「算数が飛びぬけて得意なお子さんを選抜したいという学校」は別として、算数1科目入試だからと言って、必ずしも難し目の問題が出題されるわけではありません。実際、基本的な問題を出題する学校もかなりあります。

「立地的に受けられそうな学校」かつ「行っても良いと思う学校」であれば、入試問題をざっと見て傾向を把握しておくことをお勧めします。

 

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