週2の通塾で最難関中学に合格続出する塾、「中学受験2.0」を標榜するシグマTECHの教え方

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通塾日数は週2回、夕食を家族で一緒に食べられる塾

年々過熱する中学受験。子どもへの負担は増すばかりだ。これ以上過当競争が進めば、子どもたちが壊れてしまう。そんな危機感から、「中学受験2.0」を標榜する塾も現れた。

 

夕飯を家で食べる生活を維持しながら、最難関校合格を実現する塾ができた。6年生でも通塾は水曜日・土曜日の週2回のみ(9月以降は日曜日に選択講座もあり)。平日でも19時35分には指導を終えて家で夕飯が食べられる。年々激しさを増す中学入試対策の流れに意志をもって逆行し「中学受験2.0」を標榜する。

 

塾名は「シグマTECH」。「花まる学習会」の中学受験部門「スクールFC」が運営する。1期生13人がすでに実績を出している。筑駒、麻布、武蔵、早稲田、慶應中等部、渋幕ほか、上位人気校を総なめにした。なぜそんなことができたのか。代表の伊藤潤さんに話を聞いた。

通塾日数が週2回(6年後半からは週3回)ということで、通塾負担は確かに少ないですね。

また、授業の延長等が無ければ、8時過ぎ(8時半前)には帰宅できるでしょうから、そこから家族と夕食をとることもできそうです。

実績もかなり良さそうですが、①人数が13名と限られていること、②1年だけの実績であること、③後述の通り選抜テストを経ていることといった理由で、実績を云々するのは時期尚早と言えるかもしれません。

集団授業+個別指導

1コマを40分間に圧縮するために、一人ひとりの状況を把握した授業準備が欠かせないと考えた。そこで、家庭で取り組んだ課題ノートをオンラインで提出してもらい、授業前までに講師が確認し授業に生かす「デジタルノートチェック」のしくみを構築した。事前学習のための映像授業も一部取り入れている。

 

週2回の塾での集団授業のほか、「自学指導タイム」「オンライン個別指導」「Zoom自習室」「デジタルノートチェック」で個別学習を効率的に進める。  「集団指導と個別指導の理想的な融合が実現できたと思っています。もともとオンラインでの指導を組み込んでいたので、コロナ禍でも一度も授業を休まずに進めることができました」

基本的には、集団塾と個別指導を組み合わせた仕組みのようです。

通常、集団塾と個別指導を併用する場合、集団塾と個別指導は別々の先生が担当するわけですが、集団塾で教えてくれる先生から個別指導を受けられるというのは、効率が良さそうです。

ただ、所謂小規模塾なども同じような指導(集団指導+個別指導)をしているところもあるでしょうから、シグマTECHが”特別ユニーク”ということでもないと思います。

オンラインやデジタルを使って効率的かつ迅速に指導できるとか、データ共有や蓄積ができるという点が売りなのかもしれませんが。

教材や模試は他塾を活用

教材は四谷大塚の「予習シリーズ」を使用する。ただし毎週末に行われる週テストは受験しない。5年生以降は月例テストを行う。模試は、志望校レベルに応じて四谷大塚の「合不合判定テスト」と「サピックスオープン」を使い分ける。

人数が少ないですから、自塾の教材は開発できませんね。

教材は定番の「予習シリーズ」、模試は「合不合」・「サピックスオープン」というのは頷けます。

また、教材には「予習シリーズ」を使っていますので、詳しい解説が必要な場合には、四谷大塚の進学くらぶを利用して映像授業(予習ナビ)を活用できるかもしれません(今年から予習ナビ単独受講ができなくなってしまったのでやや割高になりますが)。

全ての学力レベルの生徒に適用できるのか

ここで1期生の実績の背景ついて、ちょっと補足しておかなければフェアではないだろう。シグマTECHの1期生は、スクールFCの4年生が新5年生に上がる段階で説明会を行い、そこで選抜試験も実施している。要するに、1期生からある程度の学力レベルの母集団を集めることができていたのだ。それにしても、彼らのポテンシャルを十分に引き出すことに成功したのは間違いない。

 

「こちらも初めてですから、自宅学習が行える子どもが多い難関コースに絞って募集をしました。でも本当は、どんな学力帯でもこのやり方でやっていけると思っています。今回の経験を糧にして、今後は学力最上位層以外にも『中学受験2.0』を広げていきたいと思っています」

まず、このシステムが成立し、今年実績を残せたのは、比較的学力レベルの高い少人数の生徒を集めて指導できたという点にあると思います。例えば、塾の1番上のクラスと上から2番目クラスを対象に指導したようなものです。

また、いみじくも責任者の方も言及されていますが、少ない授業時間で済むのは自宅学習習慣のある難関コースの生徒だからこそということもあります。

この仕組みを様々な学力層に広げていくとなると、①学力レベル別のクラス編成に加え、②学習習慣の有無が大きな課題になるように思います。

中学受験の多様化の可能性

シグマTECHは好条件がそろって初年度から注目されたが、知られていないだけで街中にも、大手中学受験塾とは一線を画す理念で指導してくれる中小規模の中学受験塾はある。彼らの力がもっと認められれば、中学受験のやり方はもっと多様化するはずだ。

現行の大手中学受験塾は、①新4年からの一斉スタート、②4科目同時並行、③通塾日数の負担大、④こなしきれない大量の教材など、中学受験をするご家庭にとって必ずしも使い勝手が良いものではないと思います。

結果として、集団塾の勉強をサポートするためにご家庭で大きな負担が強いられたり、あるいは、個別指導や家庭教師を併用することにより、中学受験準備費用がますます高額化しています。

今回のような「集団塾+個別指導のセット」以外にも、例えば以下のような選択肢が考えられます(単なる思いつきなので、ニーズがあるかどうかは不明です)。

① 単科講座 … 4科目同時提供でなく、「算数」だけとかの単科講座

② テーマ別講座 … 「説明文の読み方 全〇回コース」、「速さに強くなる1ヶ月」、「力学ベーシック講座全4回」など特定のテーマに絞った短期完結型講座

③ Acceleration Program … やや出遅れてしまったが、意欲のある受験生向けの小5夏スタートの急追講座(社会人向け資格試験予備校などにも見られる「圧縮講座」みたいなもの)。

いずれにしても、様々な代替案が生まれることで、各ご家庭にフィットしたやり方で中学受験準備ができるようになれば良いなと思います。

 

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