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ただし、中堅から難関の中学を受験するのであれば、「能力」「生活習慣」「メンタル」の三つの要素がバランスよくかけ合わさっている子が向いていると言えます。さらに言えば、その要素がなければ、受験勉強がつらいものになってしまう可能性が高いです。
能力とは、①同世代の中で比較的、精神年齢が高いこと、②文を読むとき、字面を追うのではなく意味が理解できること、です。(中略)
生活習慣は、①日常的、継続的に勉強する習慣がある、②ゲームにはまりすぎていない、です。ゲームは、節度を持って楽しめているのなら問題ありません。学習習慣がない場合は、中学受験はまだ早いかもしれません。
メンタルは、①「この学校に行きたい」という目標校がはっきりしている、②好きなことが明確で個性が強い、です。
確かに、「精神年齢の高さ」は有利に働くと思います。①抽象的な文章を読んで理解する力、②自分の弱点の自覚、②自分自身をある程度律する自律性など、小学生が一人で完結するのは難しい面があります。
そこで、親の出番です。
通常は、親があれこれ指示をしたり、準備をしたりして、子供が勉強するように仕向けていく必要があります。
しかし、これが行き過ぎると以下のような弊害も出てくるわけです。
昨今、首都圏などで中学受験が過熱しています。中学受験が盛んな地域にいると、どうしても受験を意識してしまいますが、その結果、子どもが中学受験に向いていないにもかかわらず、突き進んでしまうケースも見られます。子どもがそれなりに取り組めているならいいのですが、無理をしている兆しがある場合は見直すことも必要です。
保護者は日頃から子どもの様子をよく見て、心身に違和感があったときは、いったん立ち止まって子どもと話してみてください。すぐに塾をやめる必要はありません。まずは宿題を間引いて負荷を減らす、遊ぶ時間を増やすなどしてみましょう。 それでも子どものストレスが減らず、そのストレスの原因が受験なのであれば、やめてもいいと思います。保護者が強引に推し進めると、勉強嫌いになってしまうばかりか、生涯にわたって子どもに悪影響を及ぼす恐れもあります。保護者が受験に猛進し、子どもの心理状態を感じ取れなくなると、子どもを追い詰めることになりますから、保護者には常に子どもの心理状態を感じ取れる視点と余裕を持ってほしいと思います。
中学受験には多少の無理はつきものです。経営理論のストレッチゴール(Stretch Goal)の考え方ではありませんが、(子供が)到達できるであろうレベルよりも少し高めの目標を設定することで、能力を伸ばすことができる可能性があります。
しかし、あまり無理をさせると将来的に悪影響を及ぼす危険性があります。
このあたりの判断が非常に難しい。
お子さんの最も近くにいる親御さんが、中学受験に対して冷静さを失わないようにすることが大事だと思います。
もちろん、時々カッカしてしまったり、冷静さを失ってしまうこともあると思います。
そうなってしまったときには、罪悪感や自分自身への嫌悪感も感じることでしょう。
しかし、こうして「内省」ができることが大切であり、また、(自分自身にブレーキをかけられる)健全な状態と思います。
自分自身に自覚がないまま、子供を追い込んでしまっているケースの方が、はるかにリスクが高いと思います。