中学受験最後の模試が終わって、親がどんな心構えでいたら、子どもにとって幸せか?

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中学受験最後の模試が終わって、親がどんな心構えでいたら、子どもにとって幸せか?(おおたとしまさ) - エキスパート - Yahoo!ニュース
中学受験最後の模試のあとに、親がもつべき心構えについて、12月4日に実施された首都圏模試センターの「合判模試」の保護者会でお話しした講演録を掲載します。模試の結果や偏差値表を駆使して慎重な併願戦略をい

記事の内容は、首都圏模試センターの合判模試(最終回)の保護者会で話された内容のようです。

そういえば、明日は四谷大塚の合不合判定テスト(←「不合」というネーミングが凄いですが…)の最終回。最後の模試が終わると、小学6年生(と親御さん)はいよいよ最終コーナーへと突入します。

 

お子さん自身が強く望んでいる第1志望であれば、仮に今回の模試の結果が思わしくなくて合格可能性が低くても、そこは譲らなくていいんじゃないのっていうのが、たぶん、多くの中学受験関係者に共通する見解だと思います

お子さんが自分の意思で「この学校!」って強く思っているんであれば、それを「無理でしょ」って言っちゃうっていうのは、ものすごくモチベーションダウンに繋がりかねないので、「最後まで諦めないでやろう」と応援してあげていいかと思います。

お子さん自身に「熱望校」があるというのは素晴らしいことです。なので、上記の意見には完全に同意します。

 

お子さんがその第1志望にあんまりこだわりがなくって、どっちでもいいんだよねっていうふうに言ってるんであれば、そこは大人の視点で可能性が高いほうをアドバイスしてあげてもいいと思いますが、何にせよ、お子さんの納得がいちばんかなと思います

熱望校(チャレンジ校、第一志望校)の受験とともに、重要となるのは併願戦略。
子供は自分の可能性を信じて精一杯頑張る、親は子供を全力で応援しつつ、一方で現実的なプラン(=併願戦略)も用意しておくという「冷静さ」が大切だと思います。

 

合格可能性は確率計算で語れない

ちなみに五分五分の合格可能性のところを2回受けたらどっちかで合格できる確率って何%かって皆さんぱっとわかります? 算数で確率を勉強した6年生であれば簡単に解けると思うんですけども、両方とも受からない確率を計算するんですよね。そうすると0.5×0.5じゃないすか。25%の確率でどっちも不合格になるってことは、75%の確率でどっちかには受かるってことですよね

第1志望は例えば20%の合格可能性しかないならば、80%の確率で不合格になるということなんですけども、そこに例えば合格可能性50%出てる学校も受けることにしますよね、もう1つ、合格可能性80%出てる学校も受けるとしますよね。この3校を受けると全落ちの可能性って何%になると思います? 0.2×0.5×0.8ですから8%です。つまり92%の確率でどこかには受かるはずだと計算できます

全落ちの可能性を低くするために安全校を含めて複数校を受験するということは納得できますが、残念ながら、この確率計算は適切ではありません

こうした計算が成立するのは、例えばサイコロ(重心位置がズレていない正6面体)を振った時に特定の目が出る確率のように、大数の法則が成立する世界。

例えば、サイコロを振って奇数の目がでたら不合格、偶数の目が出たら合格であれば、サイコロを2回振って2回とも奇数(=2回とも不合格)となる確率は、確かに1-0.5×0.5=0.75→75%です。

しかし、サイコロを振る世界と(中学)受験の合格可能性の世界は「相当」違う。

まず、当然のことながら、中学校の実際の入試問題には各校ごとに特徴があり、特に、難関校に分類される学校の入試問題ほど特徴があります。一般的な模試の出題形式とはかなり違うので、偏差値自体がそもそも参考にならないという点が挙げられます。

さらに、模試を受けているタイミングと実際の入試日のタイミングが違うという点もあります。

サイコロであれば、いつサイコロを振っても出る目の確率は変わりませんが、模試の場合は、①その日の体調やモチベーションによる差、②たまたま得意(苦手)な問題が出題された、③猛烈に追い上げ中なのか、一通り仕上がっていて現状維持状態なのか、等の条件で偏差値の解釈も異なってきます。

併願校を選ぶ場合には、偏差値で選ぶよりも入試問題や学校との相性で選ぶ方が重要だと思うのです。

 

偏差値や合格可能性の意味がなくなる日

それ以上に重要なのは、すべての模試が終わって本試験が近づいてきて、中学受験の当事者として感じるのは偏差値や合格可能性の意味自体がなくなるということ

例え、模試で合格率80%の判定が常に出ていたとしても、それは単なる気休め。本番が近づけば近づくほど、気休めにもならなくなっていきます。

現実には「80%合格」などということはあり得ないわけで、合格か不合格の2つに1つです。合否は本番の試験を受けて、合格発表を見ない限り分からないわけです。

試験当日を迎えるまでは受験生は横一線。
本番の試験で初めて、その学校を志望する受験生がイコールコンディションで入試問題に向き合います

わが子の努力がどうしても報われてほしいんだけど、一方で結果なんてどうでもいいって思える。このアンビバレントな感情を、多くの受験生の親御さんがこの時期経験するんです。そこまでいったご家庭っていうのは、中学受験してよかったって、最後笑っているんです

無事に入試当日を迎えると、「試験を受けに行けることだけでも幸せ」という気分になります。

入試当日に親子そろって入試会場に出かけ、子供を会場に送り出す。
周囲を見ると、自分たちと同じく今日まで頑張ってきた受験生親子の姿に気づきます。

ライバルというより、むしろ同じ経験をしてきた「同志」という親近感。
自分の子供ももちろん頑張って欲しいが、他のお子さん(受験生)も頑張って欲しい。
そんな清々しい気持ちになります。

そうした経験ができるだけでも、「中学受験をしてよかった」と思えるものです。

 

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