本日のブログは ↓ に関連して「先取り」に関する記事です。

中学受験における算数の重要性は改めて強調する必要がないとは思いますが、中学受験算数は特殊なので、大手受験塾で行われる中学受験算数の授業を理解することもなかなか大変です。
そこで、(本格的な通塾が始まる)低学年の間に算数の先取りをする必要があると言われています。
低学年時代における受験算数の先取りには次の3つがあると考えています。
❶ (小学校で習う)計算の先取り
❷ 受験算数に関連する思考力の育成
❸ 中学受験算数の先取り
私見では、❶の先取りは必要と思いますが、❸の先取りは基本的に不要、❷はケースバイケースと考えます。
計算先取りについて
❶の「計算の先取り」とは、記事中にも書かれている数の感覚を養う遊びや(小学校で習う)四則計算です。整数の計算だけでなく分数や小数の計算についても、新小4の入塾まで(小3の2月まで)にある程度できるようにしておく必要があると思います。
計算に不慣れだったり計算スピードが遅かったりすると、塾で行われる授業の理解も厳しくなったり、あるいは、宿題等に要する時間も増えていきます。結果、必要以上に算数に時間がかかって疲弊してしまったり、勉強自体の意欲が損なわれるリスクがあります。
中学受験塾では、「計算はできることが前提」でカリキュラムが組まれているので、(低学年での)計算の先取りは必要悪と言えるかもしれません。
受験算数の先取は不要
一方、❸の受験算数の先取りは基本的に不要です。中学受験算数は特殊なので、(家庭で)オーソドックスでない解法の癖がついてしまうと、後から修正するのが大変です。塾で正しいアプローチで習う方が効率的と言えます。
また、低学年向けの(一部、中学入試問題なども収録されている)算数難問集のような教材も、基本的にやる必要はないと思います。
「うちの子、まだ小学〇年生なのに、もう〇〇中学の問題が解けました」みたいなSNS上の書き込みがあると(同じ学年のお子さんを持つ親御さんは)内心焦ってしまうかもしれません。
しかし、中学入試の問題は小6になって(入試までに)解ければ良いわけで、受験学年でないタイミングで解けても(極論すれば)何の意味もありません。
思考力の育成はお子さんの状況を見ながら
問題は❷の思考力の育成ですが、これは子供による個人差があると思います。じっくり思考(試行)することが得意なお子さんであれば、パズル問題のような教材で学習することも効果があると思いますが、気乗りしないようならば無理にやらせる必要はないと思います。
算数に限りませんが、難関中学を中心として、最近ではパターン認識や単純暗記では解けないような中学入試問題題が増えており、対策が立てにくくなっています。
そうした情報を聞くと、(低学年のお子さんをお持ちのご家庭は)「それは大変だ。我家も今のうちから思考力アップを意識して勉強させなければ…」などと、焦ってしまうかもしれません。
しかし、日夜中学入試と向き合っている中学受験のプロである大手進学塾が(受験学年である)小学6年生向けの授業や教材を工夫しても、そう簡単に思考力が身につくわけではありません。
まして、ご家庭内で、しかも、低学年のお子さんに対してできることは限られていると思います。
確かに(中学受験を念頭に置くと)先取りは一部必要とはなりますが、楽しみながら学習すること、勉強内容を好きになることが何よりも大切だと思います。