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最近のお子さんは、「習い事」、「中学受験」、「英語」など色々なメニューがあって大変ですね。しかも、(不安ビジネスによって親御さんの不安感が煽られるので)どんどん低年齢化が進んでいきます。
英検の早期受験がフィットする場合とは?
確かに、英語に早い段階で取り組むメリットはあると思います。
ただ、英語検定(一業者の主催する英語の試験)合格のための勉強に早期に取り組む必要性があるかと言うと、(その方向性が合う場合もあると思いますが)かなり疑問です。
この記事の方向性に合いそうなのは、❶ 中学受験(4科目受験)を目指して大手進学塾に通っておらず、❷習い事等も比較的少なく、❸時間的に余裕がある小学生になると思います。
換言すると、学校の勉強(宿題)だけでは時間を持て余してしまうので、「(中学入学後に備えて)英語の勉強位はやっておいた方が良いかな」という感じでの取り組みならば、特に弊害はないと思います。
もっとも、英検取得を目的とすることや、英検受験用の教材が小学生にとってベストなのかという点では疑問は残りますが。
中学受験生の英語(英検)の取り組みには注意が必要
一方、中学受験を目指して大手進学塾に通うお子さん(ご家庭)にとって、英語の優先度は低くなります。
英語に取り組む場合でも(受験勉強の)息抜き程度に留めて、目標の中学受験に全集中すべきでしょう。
特に、教育熱心なご家庭ほど「(子供の可能性を広げるため)良いと思ったことは、どんどんやらせてみよう」という思いが強く働きがちなので、注意が必要です。
大量のタスクが課されても、大人は適当に手を抜いたり、自分で優先順位を決めて(取捨選択して)取り組むことができるのでまだ良いのですが、子供にはこの判断ができない(許されない?)ので、負荷のかけ過ぎはかなり危険です。
「あれも、これも」ではなく「あれか、これか」
中学受験を目指す場合には、英語は一旦脇に置く形で良いと思います。
実際、(中高一貫校に通学する子供を見ていても)学校で英語の勉強を(定期試験対策を含めて)ある程度しっかり行っていれば、1~2度過去問を解いて出題形式に慣れれば、自分の英語力に応じた英検の級は取れるという感じです。但し、特殊な語彙が必要な英検1級はこの限りではありません。
ただ、大学受験においては英検取得級による優遇措置もあるようなので、大学受験を意識する時期になったら、ある程度事前にリサーチしておく必要はあるかもしれません。
早期教育よりも重要なこと
英語力は”on-going skill“なので、社会人になると(過去に取得した)英検□級とか、TOEICの点数などは、実際には大した意味を持ちません。重要なのは「現時点」での英語力です。
私の知り合いにAさんとBさんという対照的な方がいます。
Aさんは10代・20代の頃に非常に高い英語力を有し、20代で海外留学を成し遂げました。しかし留学後、日本語どっぷりの仕事(生活)を続けた結果、数年経過すると英語力は跡形もなく消え去ってしまったそうです。なお、現在のAさんは日本(語)で充実した仕事をしています。
一方、学生時代には英語が苦手だったBさんは、社会人になって英語をやり直し、その後英語を使う職に就きました。転職先では海外赴任も経験し、独立した現在は英語を生かした仕事をしています。Bさんは学生時代には英語の単位を落とすほどの英語嫌いでしたが、現在ではかなりの英語力の持ち主です。
上記のAさんとBさんの例で分かるように、英語力を若い頃に身に付けることが(英語を活かすという面で)必ずしも有利に働かないということが分かります。
重要なのは英語力を生かすタイミングを適切に捉えることです。ただ、そのタイミングがいつ訪れるかがなかなか予測しにくいので、継続的に英語力の維持や向上を心がけることが大切なのではないかと思います。
このことは英語の早期取り組みよりも遥かに重要だと思います。