大学受験 共通テストの迷走

雑感
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管理人
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今日は大学受験関係の記事です。
迷走を極めた感のある「大学入学共通テスト」ですが、結局は、「民間試験の導入」と「記述式」見送りになったようです。

 

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「記述式問題」と「英語民間試験」は導入断念

2025年以降の大学入学共通テストで、記述式問題と英語民間試験が導入されない見通しとなった。20日に開かれた文部科学省の有識者会議で、英語民間試験が主な議題となったが、導入に否定的な意見が相次いだ。前回は記述式問題の導入を断念する方向でほぼ一致。文科省は会議の結論を踏まえ、今夏までに正式決定する。

終わってみれば、「一体何だったのか?」という感じでしょうか。
「実際問題として無理」というのがかなり早い段階から見えていたはずなのですが…。
この議論に翻弄された受験生、高校の現場の先生方は大変気の毒です。

そして、新たに出てきた↓の赤字問題

お探しのページが見つかりません : 日刊スポーツ

 

センターの試算では、検定料や成績提供手数料を現行のまま維持した場合、21年度に約4億円の赤字となり、その後も10億円以上の赤字が続くとしている。センターが設置した運営の在り方を検討するワーキングチームは「現行の検定料の設定が適切かどうかについて検討が必要」と指摘している。

公表されている令和元年度から過去5年間の大学入試センターの事業報告(決算内容)を見ましたが、赤字に陥ったのは平成27年度(▲868百万円)のみ。

この時の赤字の原因として考えられるのは、①緊急対応用試験問題の印刷費増加と②緊急対応用リスニング音声メモリーの製造費用の増加です。

①と②の合計で対前年比約9億円の増加となっているのですが、一過性のコストと思われます。これが無ければ損益トントンだった計算になります。

他の年度は、概ね2億円から5億円のプラスなので、(令和2年の事業報告がまだ出ていないので何とも言えませんが)少子化により受験料収入は今後減ると見込まれるものの、「その後も10億円以上の赤字が続く」という見込みは、何となくしっくりきません。

結局、何が問題なのか

記述重視の方向性、「読む」「聞く」「書く」「話す」といった英語4技能を適切に評価する試験制度の導入は総論としては望ましいと思われます。

しかしそれは、

① 記述であれば迅速かつ採点ミスなく行われる体制が確保されること
② 英語であれば、(民間の力を借りて)受験生にとっては現行試験と同等の利便性
が確保され、かつ、より低いコストで安定的に運用できること

という条件を満たしたうえでの話でなければ、直接的な関係者(受験生や学校)、さらには国民の納得は容易に得られないと思います。

なぜなら、入試改革の議論において、少なくとも(将来的な)コスト負担の問題について、ほとんど議論にならなかったと思うからです。

将来を見据えた試験制度改革の問題なのか、あるいは、このままの形では試験制度自体の維持が困難になっていくという話なのか…。その根底にあると思われる「少子化」、「教育格差」、「国際競争力」の問題。

断片的な問題点は浮かび上がっても、根本的な課題や解決策がなかなか見えて来ないのがもどかしいです

 

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