「文京区は2人に1人」都心に住む親子が中学受験に必死になる本当の理由

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「文京区は2人に1人」都心に住む親子が中学受験に必死になる本当の理由 「内申書」に左右されたくない
首都圏で中学受験をする子どもが増えている。プロ家庭教師集団名門指導会の西村則康さんは「親たちが中学受験をさせる背景には3つの不安があると言われる。だが、本当の理由は別にあるのではないか」と指摘する――。

3つの不安要素

では、なぜ今、首都圏では中学受験熱が高まっているのだろうか。理由をひと言でいえば、「先々の不安を回避するため」と感じている。親たちの不安は主に次の3つだ。

1つは「公立中学に対する不安」だ。(中略)

2つ目は「高校受験に対する不安」だ。高校受験を回避したがる親が気にするのは、調査書(いわゆる内申書)の存在だ。(中略)

3つ目は「大学受験に対する不安」だ。(中略)

中学受験をしなくても、高校から私立の上位校を目指せばいいじゃないかと思う親もいるかもしれないが、ここにも落とし穴がある。中学受験ではたくさんあった私立学校の選択肢が、高校受験になると一気に減ってしまうのだ。

中学受験を考える家庭の不安として3つが挙げられています。

1つ目は、地元公立中が荒れていたりして、十分な教育環境が整備されていないのでは…という不安です。

2つ目は、「高校入試の内申」に対する不安です。公立高校を受験する場合には内申点が大きなウェイトを占めます。ところが、内申点は学校の定期テストの良し悪しだけでは決まりません。本番の入試の点数だけで決まる中学受験などに比べると分かりにくい構造です。

こうした内申点に対する不確実性・不透明性を嫌って中学受験を目指すご家庭も一定数存在すると思われます。

そして3つ目は、大学受験の不透明性に対する不安です。大学受験に向けて中高一貫校で6年間じっくり教育してもらうこと(中高一貫校の受験指導への期待)、あるいは、大学付属校に入ることによる将来の大学受験の不安を解消したい(本当は解消しませんが…)という考え方です。

さらに、高校募集を止める学校が増えていることも、高校受験を回避する(中学受験を選ぶ)傾向を加速させていると考えられます。

子供に損をさせたくないという不安

しかし、私はこれらの3つの理由は後付けであると考える。今の親たちが中学受験をさせたがる本当の理由は、「自分の子だけ置いてきぼりにされたくない」からだ。今の時代は、良くも悪くも情報で溢れている。中学受験のサイトを見れば、首都圏では中学受験をするのは当たり前で、しないという選択をする余地はない。そんな情報を目にして、もし「しない」という選択をしたら、この子の将来はどうなってしまうのだろうと不安が募る。「しない」ことによって、この子が将来損するかもしれない。そうなったら、かわいそうだ。「損をさせたくないから受験をさせる」というのが、今の時代の中学受験だと感じる。

冒頭の東京都の「私立・国立中学に進学する子どもの割合」を見ると、文京区の46.1%を筆頭に、港区44.6%、中央区41.2%…と続きます。

「進学率」以上に「受験率」はさらに高いわけですから、首都圏の中では「中学受験が当たり前」になっている地域があるのは事実でしょう。そして、受験率の高い地域では周囲につられてさらに受験率がアップする…一種のバンドワゴン効果が働いていると言えるでしょうか。

そうした地域では中学受験しない(塾などにも行かない)層はむしろ少数派であり、「自信を持って中学受験をしない」という決断を下すのはかなり勇気がいることかもしれません。

また、一度は中学受験をしない意思決定をしても、「やはり(中学受験を)させた方が良いのでは」などと逡巡することもあると思います。

偏差値に拘るのは悪いことか?

私は、中学受験は「損をしない」ためにあるのではないと思っている。そういう理由で中学受験をさせると、親は必ず偏差値にこだわるようになる。人より偏差値の高い学校へ入れることが、人生の幸せを手に入れられる切符だと信じて。そして、そこに合格できないと、「受験に失敗=この子の人生は失敗してしまった」と思い込む。こうなってしまうと、中学受験は本当につらいものになる。

確かに、「周りも受験するから我家も…」という理由で中学受験をする層も一定数いると思われます。ただ、動機はたとえ何であれ、中学受験を通じて親子で成長できれば良いわけです。

また、「偏差値」もあまりにも拘り過ぎたり、偏差値一辺倒で学校選びをすることは良くないですが、偏差値を気にするのはある意味当然と思います。

何しろ、中学受験塾からはテストのたびに偏差値が示され、(ご丁寧にも)中学受験の対象となる学校の偏差値表も漏れなく提供されているわけですから、「偏差値に拘るな」と言う方が無理というものです。

偏差値から一切解放されたいのなら、「模試を受けないこと」位しか道はありませんので。

何事も、行き過ぎは禁物ということでしょうか。

入学後が重要

ただし、それには親の関わりが重要になる。結果ばかりに目が行くと、子どもの成長に気づきにくい。大事なのは、日々の小さな成長に気づいてあげることだ。そして、それを言葉で伝えてあげてほしい。そうすれば、子どもの気持ちが前向きになり、自分から勉強を楽しめるようになるだろう。中学受験をさせる意義はそこにあると、私は信じている。

子供は間違いなく日々成長しているんですね(親は成長していないかもしれませんが…)。

また、子供の成長は、目先の結果(=模試の偏差値など)に表れる場合もありますが、そうでない場合もあります。さらに、中学受験の本番で良い結果が残せる場合もあるし、そうでない場合もあります。

ありていに言えば、「勝負は時の運」です。結果が期待したものと違ったからと言って、悲観する必要もありません。

「中学受験をする」お子さんは皆、中学受験に挑むチャレンジャーであり、そこには勝者も敗者もいません。

中学受験の渦中にいるときは気がつきにくいのですが、いざ中学受験が終わってみると、中学校生活が(当たり前のように)スタートするんですね。

合格の喜びや不合格の悔しさなどはホンの一時のもの。その後は「新たな、そして、普通の日常」がスタートします。

中高一貫校であれば6年間(公立中学に通うのであれば3年間ですが)、その「新たな日常」を充実したものにできるかどうかが極めて重要だと思います。

しかし、充実した日々を過ごすことは、「当たり前のこと」ではありません。例えば、中・高生の不登校問題というのは、(小学生の不登校とは違って)珍しくないからです。そして、不登校率はコロナ禍の影響もあってますます上昇していると考えられます。

「充実した6年間(3年間)」を送れるかどうかは、希望した学校に入学できたかどうかという一過性の事実とはまったく別の話です。

毎日を大切に、そして、前向きな気持ちを持ち続けることができるかどうかにかかっていると思うのです。

 

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