「読み書きはバッチリなのに、まったく話せない」難関を突破した東大生の英語スキルが残念であるワケ

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「読み書きはバッチリなのに、まったく話せない」難関を突破した東大生の英語スキルが残念であるワケ 東大1年生の心を折る英語の必修科目
難関入試を突破してきた東大生の英語力はどのようなものなのか。現役東大生ライターの布施川天馬さんは「1年生全員が受講する英語のプレゼンの授業がある。そこでは受験英語で培った英語力はほとんど役に立たなかった」という――。

英語を勉強してきても「英語ができない」

というのも、英語の能力には大きく分けて4つの能力が存在するからです。

その4つの能力とは、①リーディング(読む)②ライティング(書く)③リスニング(聞く)④スピーキング(話す)――を指します。

(中略)

受験勉強の中で①リーディング②ライティング③リスニングの能力はある程度育っているという自負はあるのですが、一方で外国人と話すとなるとカチンコチンに緊張して固まってしまいます。それは、④スピーキングの能力が自分には全く欠けていることがハッキリとわかっているからです。

確かに、受験勉強を通じて基礎的な英語力は身につきます。

しかし、受験を突破した程度の英語力では、外国人と円滑にコミュニケーションできる領域とは程遠いです。

というのも、スピーキング以前に、リーディング、ライティング、リスニングの能力が圧倒的に不足しているからです。

(中)高校生が受験勉強で英語を勉強するといっても、学校に通いながら、あるいは、部活をしながらの勉強です。しかも、(受験勉強では)英語だけ勉強すればよいわけではなく、他の科目も勉強する必要があるので、(力不足なのは)当然です。

仮に難関大学に合格できたとしても、それは入試英語という「箱庭」の中で、相対的に高い点数が取れたに過ぎないわけです。

したがって、(学校英語や受験英語を通じて)身につく英語力というのには、そもそも限界があるということを認識する必要があるのです。

そういえば今週は、全英オープンゴルフが行われています。

ゴルフに例えるなら、ゴルフを始めて1年ほどすると、時々素晴らしいショットが打てたり、バーディが出たりすることがあります。もう少し上達すると、(スコアで)100を切ったりするようになったり、あるいは、コンスタントに90位で回れるようになるでしょう。

初心者から見ると非常に上手なゴルファーに映ったり、自分でも(初心者の頃に比べると)かなり上達したかのように感じたりするのがこのレベルです。

しかし、そうした(アベレージ)ゴルファーとシングルプレーヤーを比較すると格段の差があります。さらに、シングルプレーヤーの中でも、いわゆるトップアマと呼ばれる人たちとは、天と地の開きがあります。ましてやプロ、さらにトッププロになると…。

もちろん、(ごく一部の人間を除けば)英語でトッププロになる必要性はないのですが、自分の力の無さを謙虚に受け止め、大学入学後に英語力を向上させる努力をすることが重要です。

その認識さえあれば、大学では時間はたっぷり(4年間)あるので、いくらでも英語力をアップさせることはできます。

「読み書きはできても全く話せない学生」ばかりが生まれてしまう

実際に大学での英語教育にギャップを感じた当事者として語るならば、現状では、幼少期からの英会話レッスン通いや、留学、海外滞在の経験がある一部の人々はともかく、それ以外の人にとってハンデがありすぎるように感じます大学までに英語で話す機会にどれだけ恵まれていたかどうか、たったそれだけの要素で差がついてしまうように思うのです。

(中略)

もはや、大学で行われる教育は、従来通りの英語教育では対応できないフェーズに移行しつつあります。中学校や高校においてもアクティブラーニングの試みが積極的に取り組まれているようですが、特に英会話を軽視せず、英語のスピーキング能力を伸ばすような授業カリキュラムの構築が急務ではないでしょうか。

スピーキング力の前にまずはリーディング力と思います。

アベレージゴルファーが2~3ヶ月で一気にシングルプレーヤーになれるはずがありません。英語も同様で、英語力向上のための地道なルートを辿るべきでしょう。

よく日本人は、「リーディングはできるけど…」と言いますが、残念ながら読むスピードは極めて遅いです。

難関大学の学生でも、90~100words/minと言われていますが、これは英語を使うという段からは程遠いです。

少なくとも、180words~200words/ min程度のスピードが必要でしょうか。
このレベルでようやく、北米有名大学(院)の入学最低条件であるTOEFL‐iBTで100点程度に相当すると思います。

しかし、TOEFL-iBTで100点とか110点(こうした点数とるのは日本人にはそれなりに大変です)をとって晴れて大学院に留学しても、自分の英語力が「最底辺レベル」にあることは、入学後すぐに気づくでしょう。

なぜなら、(TOEFLなどの点数を頑張ってクリアしたと言っても)読むスピードは恐らく平均的なネイティブの3分の2程度、有名ビジネススクールに入学してくる優秀なネイティブ学生に比べると半分以下と思われるからです。

TOEFLやGMAT、あるいはGREなどでいくら良い点を取ろうと、そんなものは留学した後は何のアドバンテージにもなりません

その場その場で、自分の力の無さを謙虚に受け止め、必死になって勉強する他はないわけです。

英語に限りませんが、大学や大学院が提供してくれるカリキュラムが重要なわけではなく、自分で考えて実行するという姿勢の方がはるかに重要だと思います。

例えば、大学生であれば、大学の履修科目をできる限り英語で学ぶという方法も考えられます。

例えば、ビジネス系の学部であれば、経済学、ファイナンス、会計、統計、数学など、大学レベルの洋書の教科書は山のようにある(しかも分かりやすい)ので、こうしたものを利用するのも一つです。

欧米大学のウェブサイトを見ればシラバスなども公開されていますし、edXなどのMOOCなども活用できると思います。

(大学が用意してくれなくても)英語力を身に付ける方法はいくらでもあります。

まずは、圧倒的なリーディング量を確保してリーディング力を身に付け、さらにリスニング力を鍛えます。その後、アカデミックライティングを鍛え、最後にスピーキング力でしょうか。

理系学生の場合には(大学院進学等を見据えて)、卒論を英語で書くケースも多いようですが、文系学生も英語と日本語の両方で卒論を書けるくらいの英語力を身に付けるのが望ましいと思います。

最後にスピーキングですが、単に英語で話すことではなく、伝える内容(=中身)をしっかり持っていることが重要です。中身のない会話をしたところで大した意味はありません。

 

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