低学年の算数教材選び、教材のパターン分類

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今日は低学年(小1~小3)の算数の勉強について、教材分類(教材選び)を通じて考察してみたいと思います。

通常、教材選びと言えば「教材の難易度」を基準として行われることが多いですが、今回は「難易度」の他にもう一つの基準として「思考時間の長さ」を加えて考察しています。

「難易度」と「思考時間」による教材分類

低学年向けの市販算数教材を「難易度」と「思考時間」によって分類してみると、おおむね以下のようになると考えます。

教材は左下から右上に分布しており、右上に行くほど難度が上がりと思考時間(勉強時間)が多くなります。図の左上(「難度:高」かつ「思考時間:短」)と右下(「難度:低」かつ「思考時間:長」)に該当する教材はありません。

 

「難度:低目」かつ「思考時間:短目」の教材(Aパターン教材)

上記の図の左下の教材群です。
この教材には、「教科書ワーク」や学年相当の「計算ドリル」などがあります。

 

「難度:中~高程度」かつ「思考時間:中程度」の教材(B-1パターン教材)

表の中央に位置する教材群で、典型的には教科書レベルを少し超えるレベルの問題集になります。

将来中学受験を目指すご家庭にも、あるいは中学受験を考えていないご家庭にも、幅広く対応できる教材です。

 

「難度:中~高程度」かつ「思考時間:中程度」の教材(B-2パターン教材)

中学受験を目指す場合、現実問題として低学年での計算(漢字)の先取りは必要です。

現学年の計算教材は図の左下に位置しますが、現学年を超える計算ドリルはやや右上方に位置することになります。

なお、先取りが進めば進むほど(現学年との乖離が大きくなるほど)難度も上がり所要時間もかかるようになるので、現学年との乖離が大きくなるほど先のイメージ図の右上方になります。

 

 

「難度:高目」かつ「思考時間:中~長目」の教材(B-3パターン教材)

いわゆる難問といわれる問題が集められた問題集(発展レベル問題集)です。

算数が得意なお子さんで、受験算数にも対応できる素地をつけたい場合に検討対象になります。

後述の思考系問題集に比べると、思考時間はやや短目となります。

 

「難度:高め」かつ「思考時間:長目」の教材(Cパターン教材)

難度的にはBー3パターン教材と同程度ですが、より長時間思考を要する点が特徴です。

長時間考えることが好きなお子さん、そして、家庭学習時間が比較的長くとれるご家庭のお子さんに向く教材です。

 

なお、低学年のお子さんの場合(特に小1~小2あたり)、教材だけ与えておけば勉強するということはほぼありません。

親御さんが横についている必要がある(教える必要があるかどうかは別として)ことを申し添えます。

Aパターン教材が向くお子さん

算数にやや苦手意識を持ち、学校の算数の勉強においても不安な面が見られるお子さんにはAパターン教材が向いています。

Aパターン教材が向くお子さんの場合、算数の苦手意識を払拭するとともに、宿題などをより短い時間で終えられるようにすることにあります。

そのためには、まずは教科書や教科書ワークを使って授業内容の復習・定着を図る必要があります。この場合、カードやおはじきといった具体物を使う(頭だけでなく手も動かす)ことをお勧めします。

基礎概念が定着した後に学校の宿題に取り組むことで、宿題に要する時間も短縮することができるので、お子さんの算数学習に余裕が生まれます。

算数の苦手意識が払拭できれば、学年相当の市販計算ドリルを加えても良いでしょう。

B-1、B-2パターン教材が向くお子さん

学校の勉強に問題がなく、宿題にも時間がかからない、カラーテストも毎回ほぼ満点ということであれば、教科書ワークは不要で、もう少しレベルの高い教材が適しています。

代表的な教材としては、グレードアップ問題集ハイレベ100算数などがあります(B-1パターン教材)。

低学年向け教材は、中学受験用か否かの差があるわけはないので、将来中学受験をする場合でも(そうでない場合でも)、このレベルの問題まで対応できていればまったく問題ありません。

なお、中学受験を目指す場合には追加で計算の先取りを行います。小学 基本トレーニング計算などを使用し、まずは1学年先の先取り目指し、それが出来たら1学年半、2学年先…と進めていきます(B-2パターン教材)。

最終的には「小3終了時に小6まで」(3学年の先取り)を目指します。

B-3パターンの教材が向くお子さん

算数がかなり得意の子さんで、将来的に中学受験を目指すお子さんには、難度の高い低学年算数の教材がお勧めです。具体的には、最レベさんすうトップクラス問題集などの問題集が該当します。

なお、これらの問題集に掲載されている問題数は多く、かなり難度の高い問題も含まれているので、全部やる必要はありません。

Cパターンの教材が向くお子さん

算数が大好きで、算数問題を長時間考えることが苦にならない(むしろ楽しいと感じる)お子さんには、きらめき算数脳のような思考系教材(Cパターン教材)の活用も検討できます。

難度的にはCパターン教材とB-3パターン教材は変わりませんが、B-3パターン教材は中学入試問題を低学年向けにアレンジしたものが散見され、解法パターンをある程度覚えてしまえば短時間で対応可能になるのに対し、Cパターン教材の方は定まった解き方がなく試行錯誤を要求するため、一問あたりにかかる時間は長くなるという特徴があります。

いずれにしても、思考系問題集(Cパターン問題)は時間がかなりかかるので、(仮に学力がかなり高くても)短時間学習を目指すご家庭や、長時間考えることがあまり好きではないお子さんの場合には、Bパターン問題集の方が適していると思います。

例えば、「当初はAパターンの教材を使い算数の苦手意識を払拭し、BパターンやCパターンの教材へ進んでいく」とか「中学受験は考えているが勉強時間は最小限にしたいので、B-2パターンの教材を中心に勉強する」など、家庭学習の方向性を考えるうえでヒントにしていただければと思います。

高学年になるにつれて勉強は大変になり、親子で楽しむという余裕は段々なくなってきますが、低学年の間はできるだけ楽しく勉強したいですね。

 

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