中学受験 直前撤退・途中参戦の可能性が出てきたら

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中学受験は親主導

多くの中学受験生の親子と面談をしている、教育研究家の小川大介さんは「『中学受験をやめたい』と言い出す多くは親からです」と言います。「子どもが勉強に真面目に取り組まず、家庭学習の際はいつもバトルになってしまう」「子どもが勉強をしても成績が上がらない。高校受験にシフトをしたほうがいいかもしれない――」。親は、そうしたストレスや不安から、心がぽっきりと折れてしまうことがあるようです。

小学生の子供が自分から「中学受験をしたい。」などと言い出すケースは、ゼロとは言えないものの極めてレアケース

どこの塾に通うのか、どの学校を志望校にするのか…。
親がすべて決めるわけではありませんが、親が誘導するケースを含めれば大半は親主導

結局、中学受験は親主導となります。それも当然。
なぜなら、小学生には受験勉強や中学受験をする意味、あるいは将来のことなど心の底から理解することは無理だからです。

親は子供の将来を思って、お金や自分の時間など様々なことを犠牲にしながら、子供の受験勉強をサポートします。いわば、「親の愛情」が中学受験サポートに投影されます。

しかし、子供はそんな親の思いや苦労はどこ吹く風。いたってマイペース
「誰のためにこんなに頑張っているんだ!」…と嘆き、怒る親。
親子バトルに至るのも必然です。 😀

そして、「もう中学受験なんかしなくて良い!」と(親が)切れてしまうことも、特に珍しくはありません。

もとはと言えば、「親が(子供に)勝手に中学受験させようとしておいて、今度は勝手にやめさせようとしている。」だけなのに。

冷静に考えると「滑稽な話」なのですが、中学受験の渦中にいるときは自分(達)を笑う余裕はありません。

中学受験をやめる意思決定は先延ばしする

中学受験に関する「方向転換」で圧倒的に多いのは、「途中でやめる」ケースです

中学受験の結末には、大きく次の4つがあるように思います。

① 第一志望校に合格
② 第一志望校は残念だったが、別の学校に合格
③ 受験した学校すべてに不合格(全落ち)
④ 途中撤退

記事では「圧倒的に多い方向転換」として、④の「途中でやめる(撤退)」が挙げられていますが、①~③に比べると圧倒的に多いというわけではないと思います。むしろ、圧倒的に多いのは②だろうと思います。

この点、併願校を含めて具体的な志望校を絞り込む前(=小6の夏~秋口頃)では、①の第一志望校に受かるかどうかにしか関心がない。もちろん(この時期は)それでよいのですが…。

ただ、早い段階で結論を急ぐと、「このままでは志望校に合格しそうもない。だから受験をやめよう。」という風に短絡的な結論を下してしまう危険性がある。

「中学受験をやめる」という決定はいつでもできるわけですから、結論を急ぐ必要はありません。

むしろ結論は思い切り先に先延ばすこと(procrastination)がお勧め。
様子を見ながら(あまり無理ないように)進めていく方が得策のように思います。

その結果、②の併願校という選択肢が見えてきたり、あるいは、「周りの評判や偏差値によって決めていた」①の志望校自体も変わってくる可能性があります。

そうなると、中学受験に対する視界も広がり、今まで見えていなかった中学受験の「別の姿」が見えてきたりします。

「撤退」・「全落ち」を避けたい理由

特集3本目「撤退を挫折にしない 親の態度が子どもの未来をつくる」では、中学受験をやめる場合でも、子どもにとって「挫折」にしないために親が言動で気を付けることや、公立中学に進学して高校受験がうまくいく家庭の特徴などを紹介します。

よほどのことがない限り、(ある程度受験勉強を進めたのであれば)中学受験からは撤退しない方が良いというのが私の考えです。

しかし、仮にやむなく中学受験からの「撤退」を決める場合、中学受験に代わる目に見える「成果」が必要だと思います。

目に見える成果があれば子供自身、努力の結果を実感できます。

例えば「英検」・「数検」・「漢検」といった検定試験などで目標とする級に合格することで、頑張った成果を実感できます。習い事やスポーツで「入賞」を目指すのも良いでしょう。

親が子供を挫折させない言動をとること(=親の無形の配慮)も大切ですが、どんな小さな成果でも、「目に見える成果」というのは子供の自信に大きく影響します。

次に「全落ち」も避けたいです。中学受験を通じた目に見える成果が残らないからです。

第一志望校に受からないことは普通にあること。多少悔しい思い(=挫折感)はありますが、別の(合格した)志望校で充実した学生生活を送ればよい。

しかし、「全落ち」の場合には、中学受験を通じて得られる目に見える成果(=実感できる成果)が「何も」残りません。

「1つでも受かるか全落ちなのか」と「第一志望校に受かる否か」とでは全く次元の異なる話

もちろん、中学受験勉強を通じて学力は確実にアップしているので、「全落ち」でも「落胆」したり「恥じたり」する必要は一切ないのです。

しかし、小学生の子供にとって中学受験勉強に費やす2年間~3年間はかなりの長期間。子供なりに(受験勉強を)頑張ったのに目に見える成果がないと(=1つも合格しないと)、落胆や自信喪失度合いはかなり大きいはず。

そして、「全落ち」は親が併願戦略をしっかり立てることでかなりの確率で回避できる。

仮に、「意中の学校に合格しなければ公立中学に行く」と決めていても、1つでも(通う予定のない学校でも)合格実績があれば子供にとって(その後の公立中学の生活で)大きな自信となります。

目に見える結果」と「目に見えにくい親のサポート」

どちらも、中学受験が「親主導」だからこそできることだと思います。

 

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