中学受験情報の「過剰摂取」に要注意

雑感
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 これに伴い、集団指導をおこなう中学受験塾が平常授業のオンライン化に踏み切ったり、私立中高一貫校が受験生保護者を対象にした学校説明会を縮小したりオンラインに切り替えたりしている。そして、中学受験を志す子どもたちが楽しみにしている各校の文化祭や体育祭(運動会)の見学が不可能になるなどの影響が出ているのだ。つまり、中学受験生本人やその保護者にとって通っている塾、そして、目指す学校との距離が遠くなっている。だからこそ、わが子の中学受験にさまざまな不安を抱いている保護者は、藁にもすがる思いで情報を収集しようとするのだろう。

確かに、コロナ禍で学校行事等が中止になったり非公開になったりするケースが増えていますね。

親御さんや子供達が中学校の雰囲気を肌で感じにくい状況になっている。結果、中学受験や志望校が何となく「遠い存在」のように感じてしまうのかもしれません。

 ネットの中学受験情報は玉石混交

わたしが危険視するのは、氾濫する中学受験情報の質を深く考えることなく、そのひとつひとつに右往左往してしまうことだ。

情報収集は必要ですが、情報収集自体が目的化してしまったり、情報の選別眼を持たないと、情報に振り回されてしまいます。

玉石混合の情報の中の「石」の情報には以下のような特徴があるようです。

「石情報」その1ー中学受験生保護者や、子が中学受験経験を終えた保護者の発信する情報

「n=1」「n=2」というせいぜい1人から2人の中学受験経験から導かれたものに過ぎず、その情報やアドバイスがほかの受験生や保護者のためになる、あるいは、志望校にそのまま適用できるとは限らない。とりわけ、「断定」を好むような文体の持ち主の発する情報は疑ってかかったほうがよいだろう。(中略)なお、同じ性別、同じ小学校、同じような志望校……と「共通項」が多い保護者同士の人間関係がもつれてしまうこともある。このようなグループから上手に身をかわすことも大切だ。

塾の講師などと違って、親は自分の子供(せいぜい数人)しか見ていないわけですから、経験値の一般化は難しいですね。

せいぜい「一つの考え」というか、「オプション」という程度のものでしょう。

また、当ブログでも何度か言及していますが、自分たちと似たような属性を持つグループ(=比較対象になりやすいグループ)とは意識して距離を置くことが心の平穏を保つ秘訣です。

 

「石情報」その2 SNSなどで危機感を煽る「自称プロ講師」の発信する情報

中学入試直前期、わが子の受験がどうなるか心配する保護者が多いだろう。これからの「総仕上げ」の時期に、何か「特別な策」を講じなければ合格できないといった口ぶりで、保護者の不安を増幅させるような「プロ講師」の情報には耳を傾けないほうがよいだろう。営業的な手法のひとつである可能性も吟味したほうがよい。なお、これもまた何かと「断定」するような言い方をする「自称プロ講師」、その中でも顔の見えない匿名の者が発することばには警戒の目を向けたいものだ。

「不安ビジネス」…。今やマーケティングの常套手段になっていますが、何事も行き過ぎると弊害が大きいもの。

直前期ほど定番教材(志望校の過去問、塾で過去に勉強した教材など)を徹底した方が不安なく受験を迎えられると思います。どうしても不安ならば、普段の子供を良く知っている塾の先生に相談するのが一番良いような気がします。

中学受験はシンプルに考えよう

ここはひとつ、中学受験というものをシンプルに考えてみよう。中学入試の大半は、子の在学している学校の成績(内申点)は合否に関係がないし、その数値を基準にした推薦入試制度が設けられているわけでもない。入試当日のペーパーテストで合格最低ラインの得点が取れたかどうかで合否が判定される実にフェアと形容できる世界なのである。「受験勉強に打ち込む」→「志望校の合格最低ラインを上回る得点を取る」わが子がなすべきことはとどのつまりこれだけなのだ。中学受験の主役はわが子。合格した中学・高校に6年間通うのも、わが子。

試験で合格最低点を上回れば合格、下回れば不合格。(中学)受験はこれだけなんですね。

しかも、本試験は下手をすると塾の模擬試験よりも短い時間。本当に、「あっという間」に終わってしまいます。「えっ、たったこれだけのために3年間も勉強したの?」という感じです。

その感覚はある意味正しく、受験のためだけの勉強ではなく、中学以降の基礎学力を磨いてく期間でもあるのです。

本番の試験で全力を出すことはもちろん重要ですし、そのために日々の勉強を頑張っているわけです。しかし一方で、「たかだか3時間くらいの試験で、我が子の学力を測れるわけがない」という思いも心のどこかに持っている必要があると思います。

最後に、私のお気に入りの名言であり座右の銘を紹介して、本稿を終わりたいと思います。

The test of a first-rate intelligence is the ability to hold two opposed ideas in mind at the same time and still retain the ability to function. (F. Scott Fitzgerald)

(優れた知性とは、二つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能を充分に発揮していくことができるということだ。)  スコット・フィッツジェラルド

 

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