「中学受験に向いていない子」が塾で強いられる悲惨な勉強法

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中学受験に向いていない子ほど「詰め込み学習」になる

安浪 従来型の中学入試でいうと、やっぱり受験勉強に向いていない子は向いていないんですよ。言い切っちゃって申し訳ないのですけど……。

おおた 向いていない子はいるだろうなと思います。

安浪 入試に必要な学習内容と、入試までの持ち時間が決まってますからね。向いていない子は、どうしても「無味乾燥な詰め込み」になってしまう。従来型の中学入試では、塾が入試から逆算して3年間で習得できるようカリキュラムを組みます。だから、毎週毎週、消化する単元が決まっている興味がある単元を何週間もかけて、興味のない単元を数分で終わらせる、ということができないんです。

(中略)

安浪 主催しているセミナーでは、6年生の夏休み前は「基礎理解が大事」「丸暗記は意味がない」という話をさんざんしています。ところが、入試直前期の11月のセミナーになると、言うことを変えます。入試で典型題しか出ない中堅校、標準校を目指すご家庭には「もう丸暗記しちゃってください!」と言うんです。「ここから詰め込み解禁です!」と。でも、やっぱりジレンマはあって……。

(中略)

安浪 入試制度がそうある以上は、知識の詰め込みでしのぐ面が出てくることもあります

おおた 僕は学校や教育の理想を書いていますけど、とはいえ、勉強する側はきれいごとだけじゃすまされない。きょうこ先生がジレンマを感じながら子どもと向き合っていること、よくわかります。

確かに、中学受験に限りませんが、試験には向き・不向きというのは確かにありますね。

例えば、学者の先生や研究者が行う「研究」は、答えの見えない問題、かつ、非常に狭い領域の問題をトコトン突き詰めていく姿勢が求められます。

広く浅く学び、答えのある問題を時間内に効率よく処理する試験とはまさに正反対の世界です。

なので、一つの内容を突き詰めるタイプよりも、全方位に広く浅く興味を見いだす子供の方が、(塾のカリキュラムに乗るという点においては)中学受験には向いていると言えます。

試験が点数で決まるという点取りゲームである以上、「ある時期」からは「点数」を意識せざるを得ないわけですが、できれば(理解重視の)本質的な勉強(=理想)を出来る限り続けたい。

そんなジレンマは確かにあると思います。

 「ぐんぐん根を張っていける子」に共通する家庭とは

安浪 私は家庭教師としていろんなお子さんと接していますが、親が目先の1点2点ではなく、本当の力を身につけてほしい、というスタンスのおうちは指導しやすいですよ。そういう子は本当に伸びていくので。

おおた ああ、それこそ小学校では伸びなかったとしても、中学校に入ってから伸びていく?

安浪 伸びますね。「中高6年間で学力の土台を広げられる」と書かれていましたが、そういう子にはそういう指導ができるんです。模試ですぐに点がとれるわけじゃないけれど、本人が根を張っているのがわかる。入試の時点で結果がどうこうではなく、受かる子もいれば落ちる子もいるけれど、その後がぜんぜんちがう

普段の勉強は、ゆっくりであっても着実に理解する勉強が望ましいと思います。

入試(試験)の場合には、詰め込みに頼る部分は必要ですが、出来ればそれは最小限(=直前期だけ)にしたい。

特に、何事も納得しないと気が済まないお子さんの場合、早い時期から詰め込みに頼ると、勉強そのものへの興味を失いかねないので、詰め込みタイミングはできる限り後ろ倒しにした方が良いでしょう。

着実に理解を積み重ねていけば(理解を積み重ねていく学習スタンスを続けていけば)、仮に塾のペースには乗れなくても、確かな学力は身についていきます。

学校も塾もない中で起こる教育虐待

おおた たしかに、自分で勉強できる子はどんどんできちゃうだろうし、しない子はしないだろうし。一方で、いわゆる教育虐待的な、親が管理してできるだけ勉強させる「チキンレース」をしているおうちでは、家にいる間、何時間、勉強させられているんだろうと心配になっちゃう。だから、どんどん自分で進められる子は進めればいいと思うんだけど、「別にしなくていいや」という子がいてもいいと僕は思いますね。

安浪 たしかに、家にずっといて親子関係が最悪になっている家庭もあると聞きました。

おおた「今この時間だって他の子は勉強しているのかもしれないわよ。あんた、1つでも何か問題解きなさい!」とか言われていたら……ね。昼間、小学校に行って夕方から塾へ行って、家にいる数時間でガミガミ言われるだけなら耐えられたかもしれないけど。1日中、毎日、言われていたら身がもたないよなぁと、それが心配です。

中学受験を目指して塾通いをする小学生にとって、「(公立)小学校」は気分転換(息抜き)の場だと思います。

「1日24時間のどれだけを中学受験の勉強時間に割り当てられるか」という視点から、利用可能な勉強時間を引き算で求めて最大化しようという発想からすると、小学校での滞在時間は「無駄」と映るかもしれません。

しかし、勉強するのは生身の人間であり、ましてや未熟な小学生ですから、大人の考える通りに事は運びません。

大人だって四六時中監視されている中で仕事をしていたら、相当なストレスになります。

 

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