経済学と数学

雑感
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管理人
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今日は大学受験の話題です。
今年から、早稲田大学の看板学部である「政経学部」が入試で数学を必須科目として導入。

その結果、志願者数が昨年比で4割近く減った(5584人 ➡ 3495人)そうです。
「文系の数学離れがここまで進んでいたのか…」とちょっと驚きました。

 

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私大文系の「数学不要論」を打ち消す早大の快挙
早稲田大学は2018年に、政治経済学部の一般入試で数学を必須科目(数学I・A)にすること等々を発表し、3年間の周知期間を経て今年2月に実施した。数学が必須科目になることによる受験生の激減は当初から予想されて…

 

数学不要の迷信

そのような流れでとくに迷惑を被った学問は経済学であろう。「私大経済(文系)学部では、数学は不必要」という、世界の中で「日本固有の迷信」を確固たるものにしてしまった。

そのような(日本固有の)迷信があったのですね…。
数学が分からなかったら、経済学や(そこから派生した)ファイナンスとかの深い理解は不可能と思いますけど…。

もちろん海外では、「経済学を学ぶためには、理系並みの数学力が必要」という認識が普通で、その迷信がまともに信じられるのは日本だけである。政治学に関しても、さまざまな内容についての統計学的分析が基礎となる時代であるにもかかわらず、「算数の%が理解できれば十分」と考えるのは残念でならない。

「数学力」という点では、学部初級レベルの教科書(クルーグマン ミクロ経済学など)であればグラフを用いた直感的な説明が中心なので正直なところ数学はほぼ不要です。しかし、学部上級レベルの本(上級マクロ経済学など)あたりになると、高校の数Ⅲ・Cを土台に大学レベルの数学基礎位は必要となると思います。

私(文系)も、大学院レベルのファイナンスや経済学などを勉強するにあたって、高校数学(数Ⅲ・Cを含む)と大学初級レベルの解析と線形代数、確率論あたりは独力で勉強する必要がありました。

さらにPh.D.レベルのMicroeconomic Theoryあたりになると、正に大学理系並みの数学力が必要になるかもしれません(私には難しくて読めないので、本棚の飾りになっています。)

 

数ⅠAでは不足だが…

当時の高校数学Iを学んだ年配の方々からすると、両者の開きには驚かれるだろう。それだけに、経済学での学びに必要な数学に関しては、間違っても「現在の高校数学I・Aで十分」と勘違いしないことに注意すべきである。

確かに、経済学の場合(経済学から派生したファイナンスも同様ですが)、大学初級レベルの経済学であれば数学はほぼ不要です。しかし、そこから中級レベルの内容に進もうとした場合には、一気に大学レベルの数学まで必要になるというギャップがあるようです。

このギャップはかなり大きいので、恐らく経済学部出身者の9割は「グラフによる直感的理解の経済学」の範囲に留まっていると思われます。

これは実にもったいないです。
なぜなら、直感的理解で良いのであれば、わざわざ高いお金を払って経済学部などに行かなくても、マンキュー経済学I ミクロ編コーポレート・ファイナンス 第10版 あたりを読めば済むからです。

数ⅠAだけでは不十分ですが、そこを足掛かりに(大学に入ってから1・2年生の間に)数ⅡB、数ⅢCと駒を進め、中級経済学を学ぶ基礎となる数学力を身につけて欲しいと思います。

 

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