「子供がかわいそう」が理由の中学受験撤退は慎重に

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「幼い」「かわいそう」が理由の撤退は慎重に

いったん始めた中学受験をやめさせることが、その子のためになるのかどうか。これは判断に悩むところです。よくあるのが、「うちの子は、成績も伸びず、受験させるにはまだ幼かったようだから撤退したい」という相談です。

(中略)

撤退せずにやりきることで、子どもは精神的に大きく成長する可能性がありますし、やりきったからこそ親子で見える景色もあります。

中学受験で撤退しても、高校受験をするなら結局、勉強は必要になります。厳しい言い方になりますが、勉強から逃げることはできないわけですよね。

中学受験から撤退し負荷を取り除くのか、負荷をコントロールしながら続けるのか。家庭の判断にはなりますが、保護者は「かわいそう」「大変だから」という理由で撤退する際は、子どものその先の人生も見据え、慎重になって欲しいと思います。

「もう中学受験から撤退しようか…」

この考えが一瞬たりとも頭をよぎったことのないご家庭というのは、むしろ少数派ではないでしょうか。

それ位、中学受験は親子ともにストレスがかかります。このストレスとどのように向き合い、どう対処していくのか。終わってみれば良い思い出なのですが、中学受験の渦中にいるときにはとてもそんな余裕がありません。

一つの見方として、大学受験を受験の決勝戦と考えると、中学受験は予選に相当します。オリンピックの予選であれば、当日とか翌日に決勝戦があるわけですが、中学受験の場合、決勝戦を迎えるのは6年先です。

なので、予選でトップレベルの成績をとる必要はなく、6年後に良い状態で決勝戦を迎えられるような環境(=学校)を選べばよいわけです。

偏差値序列主義の中学受験の世界に毒されてしまうと、「偏差値が上がらなければ、受験勉強をしても意味がない」という近視眼的な考えに走りやすくなります。

しかし、勉強を続けることは、中学受験だけではなく、中学・高校・大学…、さらに社会人になった後も必要です。

「結果が出ないからやめる」より、(長く)楽しみながら続けられる方法を考える方が建設的です。

一方、中学受験を回避して高校受験を選ぶ場合はどうでしょうか。

確かに、「子供の幼さ」がある程度解消されるので、中学受験ほどのストレスはないかもしれません。

ただ、高校受験は中学受験よりも(ある意味)競争が熾烈です。特に首都圏の女子の場合、高校募集の私立高校(女子校)の選択肢が非常に限られてしまう点には注意した方が良いでしょう。

いずれにしても、高校受験を考えるならば、高校受験塾の説明会等を利用して、高校受験の情報を入手した上で「中学受験か高校受験か」の判断をした方が良いでしょう。

英語力があれば高校受験に絞っても

高校入試は英語の配点が高いですし、民間の英語検定で一定水準をクリアしていると「英語の得点を一定の割合で保証する」「加点する」といった優遇を受けられる学校も多いからです。また、グローバルコースなどを設け、帰国子女や英語検定で一定レベルを取っている生徒を多く募集している学校もあります。

(中略)

帰国子女入試や英語入試をやっている中学校(とくに難関校)はまだ限られていますから、そのなかで行きたい中学が見つからないなら、高校受験で勝負したほうがより有利に進学できる可能性があります。

中学受験で英語入試を行う学校は2021年で143校あるということなので、中学受験から撤退する前に、英語入試を検討しても良いと思います。

例えば、中学入試の算数が苦手でなかなか点数が取れない場合、英語入試で中学に入り、中学に入って「数学」を基礎から頑張る、という選択肢もあります。

受験数学の捻った問題とは違って、中学で習う数学は基礎的でオーソドックスなものがほとんどです。

「中学数学は高校で習う数学の準備に過ぎない」と言っても過言ではないので、練習を厭わなければ、(受験算数はあまり得意でなくても)中学以降で数学を得意にすることも可能です。

いずれにしても、「Aが向かないからBを選ぶ」という短絡的な意思決定をするのではなく、「A,B,C…の様々な選択肢の中から、自分の子供に最も合ったものを選ぶ」という考え方が必要だと思います。

ともすると、促成栽培に陥りがちな中学受験(期)だからこそ、子供の可能性の芽を大事に育てるスタンスが大切だと思います。

 

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