【私案】予習シリーズ(算数)の学習ルート

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はじめに

ブログ記事を解析すると、四谷大塚の「予習シリーズ」を扱った記事のアクセスがかなり多く、(改訂された)「予習シリーズ」への関心の高さが伺えます。

予習シリーズは約10年間隔で大幅改訂され、前回は2012年度~2014年度にかけて改訂されました。

前回改訂でかなり進度・難度ともに上がったとされた「予習シリーズ」ですが、今回の改訂により、進度・難度ともさらに上がったようです。

特に算数に関しては

①改訂によってカリキュラムの進行速度がさらに速くなった
②基本演習問題集が姿を消したことから、上位校・難関校をより意識した教材になった

と言えるでしょう。

四谷大塚直営校舎や四谷大塚提携塾に通われているご家庭であれば、適切な取り組み方法に関する指導が受けられると思いますが、最近ではコロナ禍だったり、あるいは、映像授業等の選択肢も増えているので、ご自宅で予習シリーズを使って中学受験準備を進めているご家庭も増えてきているように思われます。

ということで、中学受験を終えた一保護者の私見として、予習シリーズの取り組み方のポイントを記事にしたいと思います。

予習シリーズ(算数)のラインナップ

予習シリーズには、「予習シリーズ」の本体の他、「演習問題集」、「計算」、「最難関問題集」などの様々な教材ラインナップが用意されています。

教材の中心は「予習シリーズ」であり、この教材をマスターすれば、相当の実力をつけることができるのですが、難度がかなり高く、かつ、(予習シリーズには)他にも教材がたくさんあるので、「何をどの程度やればよいか」悩んでいるご家庭も多いように見受けられます。

最初のカギは「例題」の理解度

予習シリーズの進め方を検討する際、最初のカギとなるのが「例題 」の理解度です。

「例題」は中学受験算数における典型的なテーマを扱っており、「例題」と(その数値変え問題である)「類題」を通じて、受験に必要な基礎的な内容(基礎 ≠ 簡単)を身に付けることが大きなポイントとなります。

例題が比較的短時間で理解できれば、そのまま「練習問題」に移行して構いませんが、そもそも「例題」のレベルがかなり高いため、例題の理解に時間がかかる場合も当然あり得ます。

この場合には、問題演習量を減らしてでも、例題理解をしっかり行う必要があると思います。数値変えが類題だけで足りなければ、親御さんが(例題の)数値変え問題を用意するのも効果的だと思います。

また、例題の手前段階の「基本問題」と演習問題集の「反復問題(基本)」(基本問題の数値変え問題)を使って例題⇔類題トレーニングを行うことも効果的だと思います。

2番目のカギは 「例題」⇒「練習問題」へのステップアップ

2番目のカギは、「例題」から「練習問題」への学習がスムーズに進むか、という点になります。

予習シリーズの「練習問題」は、「例題」の類題ですが、単なる数値変え問題ではありません。したがって、かなり本質的な部分まで理解していないと、「例題は解けるが、練習問題が解けない」という状態になります。

いわば、例題と練習問題の間にかなりのギャップがあるわけで、これが予習シリーズの特徴(使い方の難しさ)にもなっています。

優秀なお子さんの場合はこの差を自力で埋められるので、どんどん応用問題や発展問題に進めば着実に力をつけることができますが、比率としてはかなり少ないと思います。

かなりの成績上位層でも、練習問題の理解が覚束ないまま、色々な問題に手を出して中途半端な理解に留まっているように見受けられます。いわゆる消化不良です。我が家でもそうした状態に陥りました。

この場合には、先を急いで応用問題に進むのではなく、「練習問題」をしっかり定着させた方が良い結果を生むと思います。そのために、「演習問題集」の「反復問題(練習)」(練習問題の数値変え問題)を使うことをお勧めします。

「例題」と「類題」で行ったような数値変えトレーニングを練習問題についても実施することで、練習問題の定着を図ることができます。

実際、一部の超難関中学を目指す場合は別として、(4~5年生の間は)練習問題レベルまでしっかり理解できていれば、中学受験生としては申し分ない状態だと思います。

予習シリーズ活用 3ルート

以上を考慮すると、概ね3つのルートが考えられます。

(1)最上位生向けルート

最上位生については、予習シリーズの各教材の難易度に合わせて、最高水準の問題まで効率的に学習することが可能です。

「計算」は難度は低いですが、毎日やった方が良いと思います。

予習シリーズ 演習問題集 最難関問題集
「例題」⇒「類題」⇒「練習問題」
(基本問題)
「実践演習」
(トレーニング)
「応用問題A」「応用問題B」

(2)上位生向けルート

上位生向けのルートです。練習問題の定着がカギになるので、ここで、反復問題(練習)を使った数値変えトレーニングを行います。そのうえで、余力があれば、難度の高い問題へ進むことになります。

反復問題(基本)はやらなくてもよいと思いますが、基本問題はやった方が良いと思います。

予習シリーズ 演習問題集 最難関問題集
「例題」⇒「類題」⇒「練習問題」
(基本問題)
「反復問題(練習)」
「トレーニング」(実践演習)
(応用問題A)
(応用問題B)

(3)一般生向けルート

(予習シリーズの中核である)例題の理解を重視したルートになります。

例題レベルが高すぎると感じる場合、例題に入る前に、基本問題 ⇔ 反復問題(基本)を使って、数値変えトレーニングを行ってから例題学習に入った方が良いと思います。

また、練習問題(特に、右ページの⑤・⑥あたり)はかなり難しいので、無理に詰め込まずに、例題と基本問題中心に(+中程度の難度の練習問題まで)固めた方が良い結果になるケースになるように思います。

なお、(改訂前の)6年(上)の例題の難度かなり高くなること、6年(下)では、重要例題の総復習を行う構成になっていることからも例題の理解は非常に重要であることを強調したいと思います。

予習シリーズ 演習問題集 最難関問題集
「基本問題」
「例題」⇒「類題」⇒「練習問題」
「反復問題(基本)」
「反復問題(練習)」
「トレーニング」

 

ご家庭での学習の参考になれば幸いです。

 

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