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まず、1.(「先生による教え方の差」:追記)ですが、同じブランドの塾だと授業時間などの仕様面や、使用教材などどこも一律であることが多いですが、それぞれの校舎のカラーは必ずといっていいほど存在します。塾というのは「誰が誰を教えて、誰が誰に教わるのか」という人(講師)と人(生徒)との関係性に収斂されるのですね。
(中略)教える人間と教わる人間の「相性」がまちがいなく関わっているのです。
(中略)少しでもお嬢様が塾で勉強を楽しめる可能性を高めるためには、入塾する前に直接担当してくれるだろう講師による「体験授業」に参加してみることです。もちろん、これがシステム上不可能な塾も中にはあるのですが。
確かに、先生によってその科目を好きになるか嫌いになるかが分かれる、ということはあると思います。
但し、大手塾の場合、職人技を高めていく個人塾や家庭教師の世界とは違い、組織としての一定の質の確保を目指します。つまり、講師による指導のバラツキをできるだけ少なくし、均質化することを目指しているということです。
逆に言えば、同じ教材を使い、均質的な授業が受けられるので、大当たりや大外れがないという点が大手塾の特性だと思われます。
確かに、体験授業は重要です。
しかし、大手塾の場合には、体験授業をしてもらった先生の授業を必ずしも受講できるとは限りません(塾の雰囲気などは感じ取れるとは思いますが)。
なので、先生との相性は、小規模塾(あるいは家庭教師)の場合に重視すべき内容と思います。
次に2.(進路指導の手厚さ:追記)のご質問です。これは中学受験塾に入塾する際の説明会や面談などの場で直接次のことを尋ねてみましょう。
1.小学校6年生のときに受験校を選定する際、塾はどれくらいの時間をかけて相談に乗ってくれるのか。また、わが子の性格面を観察した上で具体的な受験校の提案はしてくれるのか。
2.塾側は「挑戦校」「実力相応校」「安全校」のそれぞれの扱いをどう考えているのか。
この2点の質問に即座に回答できなければ、進路指導が手厚い塾である可能性は低いでしょう。特に2の回答内容ですが、わたしの考えではありますが、(しっかり「安全校」を確保することを大切にする)「慎重」な進路指導をおこなっている塾は良い進路指導ができていると感じます。
まず最初に、ご家庭から働きかけない限り、塾からは最低限のサービスしか受けられないということが言えます。
塾としても、ご家庭から相談がなければ、「特に問題はない」と判断するでしょうから、わざわざ連絡してくることは、あまり期待できません。
なので、相談に乗ってほしいことがあれば、家庭の側から塾(講師)へ積極的に働きかける必要があると思います。
ご家庭の方で意中の学校(群)があれば、塾に伝えておくことが肝要でしょう。漠然と相談するより、具体的に相談する方が実のある相談になるからです。
また、6年生の今頃の時期になると、「挑戦校」、「相応校」、「安全校」といった区分で併願戦略を考える時期になります。
(全落ちという結果を避ける意味でも)安全校をしっかり確保することはとても重要です。
特に、お子さんの熱望校が「挑戦校」の場合、(学力的に届かないという理由で)「挑戦校」を諦めてしまうと、勉強に対するモチベーションを失ってしまうリスクもあります。この場合、「挑戦校」を目指す一方で、安全校を確保するという戦略が重要となります。
幸い、首都圏の中学受験の場合、多くの学校があり、試験日も複数日に設定されていたりするので、(他地域に比べれば)併願戦略は組みやすいと言えます。
いずれにしても、志望校に関する情報収集は塾任せにせず、ご家庭でもしっかりと行うこと、また、塾のアドバイスは参考にしつつも、最終的に受験校を決めるのはご家庭であるということは忘れてはならないと思います。あくまで中学受験の主体はお子さんとそのご家庭です。
塾の進路指導という点では、①講師が自分の進路指導の経験を一方的に押し付けて来たり、あるいは、②塾の合格実績欲しさが優先してしまい、ご家庭やお子さんへの配慮が欠けるような進路指導は論外として、ご家庭の考え方、お子さんの将来を加味したうえで、親身になって進路指導に応じてくれる塾(講師)は良い指導ができているのではないかと思います。