本日の記事はこちら ↓
当然、中学受験も同様の方向に進んでいます。算数の問題でありながら文章量が多くなっており、一度に多くの情報が与えられます。
だから、まずはそれら情報を図に整理していく必要があります。それができてはじめて、どんな公式で解いていけばいいかがわかるのです。手を動かしながら与えられた情報を整理する力が重要になります。
難関中学の算数の入試問題は長文化傾向にあり、情報を整理しながら読み取る力が試されています。
パッと見て解法が思いつく問題は少なく、問題文の情報を図で整理したり、小さい数で試しつつ、手を動かして試行錯誤をしながら問題を粘り強く解いていくことが必要な問題の割合が高まっているということは事実だと思います。
現6年生は、(各塾で)夏休み頃からいよいよ入試本番レベルに近い問題を解くことになります。よほど算数が得意な生徒を除くと(解けなくて)苦戦する時期となりますが、(解けなくても)あまり深刻にならず、基礎力充実に根気強く取り組んでいくことで道が開けると思います。
ここまでは完全に同意できる内容です。
こうした能力を高めるには、長文の算数問題をひたすら回数多く解き、「問題文を読み込んで整理する」ということを繰り返すしかないでしょう。
(中略)
算数だから算数の参考書を読めばいいというのではなく、算数のために小説のような長文を読み、その内容を吟味できる頭が必要なのです。
この部分はちょっと違う見解を持っています。
総合問題や入試レベルの長文問題は、基本論点の組合せです。
ただ、基本論点がすぐに抽出できる形で提示されておらず、①問題文に隠されていたり、②複数論点が巧妙に組み合わさっていたり、あるいは、③視点を変えたり問題文を言い換えたりすることで、見慣れた問題に帰着するといったケースが多いと思われます。
したがって、こうした長文(総合)問題の学習効果を高めるためには、まずは一行題などの論点が明確な問題を素早く確実に解ける素地が必要です。
こうした基礎が不十分な状態で長文問題や応用問題を沢山解いても、効果は薄いと言えるでしょう。
また、算数の長文問題を解くのに、国語の小説を読むことが直接役に立つということはないように思います。もっとも、「長文に慣れる」という点で効果がないわけではないと思いますが…。
というのも、「算数の問題文を読んで解釈する力」と「小説を読む力」は違うと考えるからです。
算数の問題を読むということは、算数的に問題文を読むことです。
例えば以下のようなことを意識して問題を読んで解いていく必要があると思います。
② 何が分かっていて、何が分かっていないのか?
③ 具体的にどのような状況(情景)か、図や表を使って明確化できないか?
④ 小さな数で試してみて、何らかの規則性(=きまり)が見つかるか?
⑤ 今まで解いてきた問題から、解法や考え方を応用できないか?
⑥ 問題文を「言い換える」と何か新しい視点が得られないか?
上記のような思考プロセスは、大学受験にも求められると思われます。
難関中学ではこれを小学生に求めてくるわけですが、正直「ちょっとTall Orderではないか」という気もします。
基礎的な解法が十分に身についている生徒は別ですが、まずは基本論点(=戦える武器)の習熟度を高めることに注力し、(秋頃から)本格的な思考問題に進んでも決して遅くはないと思います。