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実は、「テスト」において大きな鍵を握るのが「処理能力」です。
処理能力を軸に人を分類すると「処理能力が高い(スピードが速い)」「処理能力は中程度」「処理能力が低い(スピードが遅い)」となります。(中略)
入試問題は学校によって、制限時間も問題数も異なります。そこで、学校によって1問あたりにかけられる時間が異なる点を知っていただくべく、作成したのが「算数 処理力マトリクス」(P.262~269)です。
(中略)
算数は基本的に偏差値が高くなるほど典型題が減って思考題が増える「思考型」、つまり難度が高くなるため、「偏差値が高いけれど1問あたりにかけられる時間が短い」学校には要注意、ということになります。
9月も下旬に入り、中学入試まで残り約4カ月となりました。
塾の模試も中学入試を意識した形式に近づき、「志望校との距離感」とも向き合う時期になってきました。
記事にもあるように、入試で出題される問題数は学校によって異なり、結果、1問にかけられる時間にも差が生じます。特に顕著なのが算数です。
塾の模試では(受験者の実力を公正に判定するため)試験形式はほぼ統一されています。1問目は計算問題、2問目は簡単目の小問集合、3問目から総合問題で順を追うごとに難度が上がっていく…というように、概ね難易度順に問題が並んでいます。
しかし、実際の入試は必ずしもこのような配列になっているわけではありません。計算問題がなく1問目から総合問題が出題される学校があったり、あるいは、中盤にかなり難しい難しい問題が出題され、後半の方が易しかったり…ということがあります。
つまり、中学入試を意識したより実践的な学習姿勢(受験テクニックを含む)が必要となってくる時期でもあります。
本書の「処理力マトリクス」は算数の入試問題で作っていますが、処理能力を求めるか否かは学校によって傾向があるので、他科目もほぼ同様ととらえることができます(もちろん、学校によって、また年度によっても異なります)。これは模試では見えてこない部分です。
繰り返しになりますが、処理能力の高低は、良い悪いではありません。熟考型の子に処理型の学校対策をするのは、効果があれば良いですが、効果が上がらないということもあり得ます。
第一志望や第二志望に関し、偏差値ではある程度現実が見えているご家庭も多いと思いますが、処理型か否かも「大きな鍵」になることをぜひ知っておいていただきたいと思います。
入試問題との相性を知る上で、志望校(併願校を含む)が「処理型」か「熟考型」のどちらの類型に属するのか、お子さんがどちらのタイプと相性が良いのかということは、出来るだけ早めに確認しておくことが必要だと思います。
できれば、親御さんご自身が入試問題を見て感触をつかみ、その上で塾の先生に確認するのが良いと思います。
これに加えて、「記述型」か「選択肢型」(算数で言えば、「答えだけ」か「途中経過も採点されるか」など)も試験問題との相性を見る上で重要な要素となります。
これから先は、第一志望校を軸とした過去問演習が本格化する時期になると思いますが、第一志望校の試験形式がかなり特殊な場合には注意が必要です。
というのも、やや特殊な形式に力を入れ過ぎてしまうと、(標準的な出題形式の)併願校への対応が疎かになってしまう可能性があるからです。
成績が超上位のごく一部の生徒さんを除けば、併願校を含めた対策のバランスも必要になってくると思います。
これから先の入試に向けた勉強は、さらに情報戦の様相が強まってきます。