中学受験のメリット=高校受験がない 中3~高1はキャリア教育が充実?!

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中高一貫校の中3~高1は「中だるみ」の時期?!

一方、中学受験を経て中高一貫校に進学すると、受験期に当たる中学3年~高校1年の間は、いわゆる「中だるみ」するような時期となります。
そこで、中高一貫校では余裕のあるこの時期に、キャリア教育を導入し、将来の仕事について考えるきっかけになるようなイベントを導入している学校が多くあります。

中高一貫校は、(公立中学に比べれば)授業の進度も早く、また、宿題や部活、委員会活動などもあったりするので、それなりに忙しい。

ただ、(夏以降は中3の大会が無くなるため)「中3で一旦部活から引退」するケースもあるようで、そうなると暇を持て余すことになると思います。

よって、比較的時間のある中3から高1という時期に、中だるみ対策を兼ねてキャリア教育を行う意義はあると思います。

海外の起業家の話を聞く機会がある学校も

具体的には、企業に足を運んで職業体験をしたり、それぞれの生徒が興味のある職業に就いている先輩に話を聞いたりする学校があったり、起業に重点を置き、経営者の話を年に何回か聞く機会を設けている場合もあります。また、よりグローバルな視点を持っている学校では、起業家の多いシアトルで起業家の話を聞くツアーを実施している学校もあります。2021年現在のコロナ禍では、企業訪問や海外ツアーは一時中止している学校が多いと思いますが、オンラインをうまく活用して、先輩や起業家の話を聞く機会を作っている学校もあるようです。

子供の中学受験にあたって、私が実際に学校説明会に行った学校(2~3校)も、例外なくキャリア教育について様々な取り組みを紹介しており、様々な魅力的なイベントを用意している感じでした。

私の中学・高校時代とは隔世の感があります。当時は「将来は今より良くなるだろう」という楽観的な風潮が漂う時代でした。そうした時代においては、将来を見据えた「キャリア教育」に対する需要そのものがなかったと思います。

逆に言えば、現代のような先行き不透明な時代だからこそ、早い段階からのキャリア教育の必要性が高まっている、少なくともキャリア教育の需要が高まっていると言えると思います。

キャリア教育の懸念点とキャリア教育以外に必要なこと(私見)

学校側のキャリア教育への取り組みは望ましいと思われますが、懸念点が1つあります。

それは、傾向として「親世代」が考える現在注目されている、あるいは、将来有望そうな「ビジネス」に焦点があてられているのではないか、という懸念です。学校側にそのつもりがなくても、職業の事前スクリーニング的なキャリア教育になってしまうと、かえって生徒たちの視野が狭くなってしまう危険性もあります。

また、「職業や働くことに対する尊厳」という根本部分が抜け落ちたまま、ビジネス的な(功利主義的な)視点でキャリアを考えてしまうと、マイケルサンデル教授が実力も運のうち 能力主義は正義か?で指摘するように、「思慮深さが欠落する」という大きな弊害も出てくると思います。

もう一つは、キャリア教育には限らない話ですが(学校説明会などで説明を受ける限り)、学校側が用意するメニューが少し多過ぎるのではないかという気がすることです。

これには、「子供達に暇な時間を与えて欲しくない」という保護者側からの要請が多分に影響していると思うのです。

最近では未就学児や低学年から習い事をさせたり塾通いをさせたりするケースが増えていますが、その要因の一つに、「子供達に暇な時間(ボーっとしている時間)があると、とりあえずその時間を埋めていかないと気が済まない」という保護者側の思いがあるように思います。

小学校高学年になれば中学受験に向けて進学塾へ、さらに進学塾で飽き足らなくなり個別指導や家庭教師へ。中学に入れば「子供が暇そうだから」ということで再び塾へ…という感じで子供達の自由時間はどんどん削られていきます。

こウした風潮が、昨今の「管理型教育」の(面倒見の良いと言われる)中高一貫校人気にも繋がっているのではないかと感じています。

私のように学生時代に暇を持て余していた人間からすると、子供達には暇な時間を与えて、もう少し根本的な部分についてあれこれ考えてみる機会を与えてみるのも重要だと思うのです。

例えば、明治時代の文豪の作品に浸ったり、哲学を学んだり、ボランティアをしたり、はたまた窓から外の景色を見ながら長時間物思いに耽ったり…。

ただ、今の時代は子供達の周囲にはスマホやゲームなど様々な「誘惑」があるので、暇を持て余してしまうと際限なく時間を浪費するという危険性もあるのが痛し痒しですが…。

いずれにしても、これは学校での取り組みというより、家庭というか生徒個々人での取り組みになるのでしょう。

 

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