ステップアップ演習の構成
「ステップアップ演習」は「難関中を目指す人のための足固め」を目的にした問題集で、全部で346問(小問に分かれている問題もあるので、小問ベースでは恐らく600問以上)収録されている問題集です。
「ステップアップ演習」の目次は以下のようになっています(目次に誤植はありますが、合計問題数は346題です)。
数と計算の20題
整数の20題
数列の20題
規則性の20題
発想と論理の2017題
場合の数:整理して数えあげる16題
場合の数:考え方の工夫を身につける1618題
グラフ,ダイヤグラムの15題
角度の17題
面積の19題
相似と面積比の23題
図形の見方と移動の18題
立体の基本19題
立体の応用15題
比と相当算の20題
線分図で解く10題
面積図で解く11題
仕事算などの10題
レベルアップのための16題
速さの基本11題
速さの応用11題
難易度
東京出版の難易度表によると、「プラスワン問題集」よりも難易度は低くなっています。
確かに、簡単な問題は小4でも十分取り組み可能ですが、「算数プラスワン問題集」よりもレベルが高い問題も含まれているので、一概に難易度は比較できないと思います。
「ステップアップ演習」は複数著者(問題編は3名、講義編も併せて5名)による執筆ということもあり、難易度のばらつきは若干大きいと思います。
「ステップアップ演習」のコンセプト
個人的見解ですが、「プラスワン問題集」と「ステップアップ演習」には、コンセプトに差があると思うのです。
「プラスワン問題集」は、中学入試問題を解くために必要なパーツ(道具)を集め、その習得と習熟を目的にした問題集、と思います。
一方、「ステップアップ演習」は主として解法研究用の教材だと思います。
「ステップアップ演習」の解説はかなり詳しく、関連知識なども含めて理解を深めることができます。
例えば、図形の分野では、「基本図」や「発展知識」という形で着眼点が示されており、問題を解く際の視点を得ることができるようになっています。
使い方の例
「ステップアップ演習」はボリュームが多いので、使用時期にもよりますが、塾の教材もこなしつつ全部取り組むというのは難しいと思われます。
ただ、(プラスワン問題集と違って)索引を利用して塾の教材の追加類題演習として使えるので、問題や分野を選べば(小4や小5初期とかの)早い段階から使用することも可能と思います。
なので、早目に始めれば網羅的に取り組むことも可能だと思います。
また、単に問題を解くだけでなく、解説をしっかり読むことをお勧めします。お子さん一人で解説を読むのはかなり厳しいと思いますので、親御さんが説明してあげるとよいと思います。
もっとも、一人で解説を読んですらすら理解できてしまうお子さんであれば、この問題集を使わず、中学への算数(月刊誌)の方が良いかもしれません。
さらに、苦手分野に取り組む場合、自力で解くことにはあまりこだわらず、解答と解説を読みながら、解法の流れを確認したり、解説や参考事項を読みながら解法の幅を広げていくという使い方が向いていると思います。
ちなみに我が家では、小5の終わり頃から苦手な問題や分野に絞って取り組みました。
留意点
「ステップアップ演習」は「プラスワン問題集」と同様、なかなか使い方が難しい問題集と思われます。
使用にあたっては、適切な指導者の指導を仰ぐことが望ましいと思います。