受験界に論争を引き起こした「暗記数学」 受験数学は暗記力なのか?

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受験数学で成績を上げるためには、自力で問題を解いて思考力を鍛える方が良いのか、自力で解くより答を見てたくさんの解法を覚える方が良いのかは、古くから続く論争テーマです。

(中略)

当初は物議をかもした”暗記数学”ですが、最近ではそれに類する学習法を見聞することも多くなりました。問題を自分で解くより、解答を見て解法を覚え、解ける問題を増やしていくような学習法を「解法暗記学習」と呼ぶことにします。

「数学は暗記だ」、「いや、数学は暗記ではない」という議論は長らく続いていますが、個人的にはどちらも正しいのではないかと思っています。

その結果、数多くのバリエーションの解法を取り入れることのできる解法暗記学習は、正しく行えば効果の高い学習法の一つであると分かってきたのです。 どれだけ考えても解けない問題は必ずあり、その場合は答えを見て学ぶしかありません。数学が得意な人も、自分が思いつかない解き方というものはあり、それを取り入れることによって、より多くの問題を解けるようになっていきます。そう考えると、「解法暗記」というのは、多かれ少なかれだれもがやっている必須の学習法であることが分かります。

それはおそらく、暗記と言う言葉に「棒暗記」のイメージがまとわりついているからではないでしょうか。解法暗記において重要な点は、その解き方をきちんと理解し、他の問題にも応用できるようになるかどうかです。それがなければ、解法暗記は酷似した問題にしか使えない棒暗記に近いものとなってしまいます

高校数学(数Ⅰ,数A,数Ⅱ,数B,数C,数Ⅲ)は小学校の算数や中学数学と比較しても解法パターンが非常に多く、かつ、制限時間のある(大学)入試に対応する必要があります。

そのためには、典型的な解法を(瞬時に想起できるレベルまで)記憶しておかなければならないということだと思います。

しかし、単に解法パターンを覚える勉強だけでは、ほぼ同じ問題にしか対応できず、ちょっと目先を変えられると対応できなくなってしまいます。入試問題はほとんどが「初見」問題なので、棒暗記の解放暗記では太刀打ちできません。

結局、単位解法を暗記するだけでは不十分で、①概念や定義を丁寧に理解する、②公式は導出過程を十分理解した上で暗記する、③単に問題を解くだけではなく、なぜそのような解き方をするのか、別解はないのか…といったことを考えながら勉強するというごく当たり前の勉強をすることと思うのです。

「解法暗記」のメッセージとしては、「(範囲学習をやっている段階で)できない問題を長時間考えていても効率が悪い。入試問題で戦える武器を早く手に入れよう。」ということだと思います。

 

そしてこの話は、受験算数にも当てはまると思うのです。

範囲学習を行っている段階では、分からない問題については(そもそも解き方が分からないケースが多いので)あまり長時間考えずに解法をどんどん仕入れていく。

しかし、入試レベルの問題を解く段階になったら、(すぐに解答を見るのではなく)思考時間を少し長くとるということが必要になってくるように思います。

 

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