中学受験には「思考力」が要求されると言われます。
確かに、(特に難関中学と言われる学校の)実際の入試問題を見ると(単なる解法パターン暗記では解けない)、試験場での思考を要求される問題が出題される傾向があります。
このような背景もあって、低学年の頃から思考力を身に付けさせたいと考えているご家庭も多いように思います。
実際、数年間の我家も子供に思考力を身に付けさせるべく、いくつかの取り組みをしていました。
そこで、当時の反省なども踏まえて、低学年の思考力について考えてみたいと思います。
思考力とは?
まず、一概に「思考力」といってもその意味するところは漠然としていますので、思考力を定義したいと思います。
思考力とは何ですか?
思考力とは、経験や知識を基にして物事を分析し、統一して概念を作り、判断する能力のことです。
簡単に言えば、「考える力」を指します。思考力が高い人は、複雑な問題に対しても論理的に考え、解決策を見つけることができます。
思考力には、次のようにいくつかの種類があります
(1)論理的思考力:因果関係を整理しながら順序立てて考える力。
(2)戦略的思考力:目標に向かって効率よく進むための戦略を考える力。
(3)批判的思考力:情報や意見に対して疑問を持ち、客観的に判断する力
by Copilot https://copilot.microsoft.com/
上記の定義を中学受験(入試)の局面における「思考力」に変換してみると、以下のようになると考えられます。
中学受験における思考力とは、「今まで学んだ知識や自己の経験に基づき、入試問題を分析し、時間内に正解を導き出す力を意味します。思考力のある受験生は、複雑な問題・初見の問題に対しても論理的に考え、(時間内に)正解を導き出すことができます。
低学年の思考力への対応 → 知識と経験重視
「思考力」の定義からも明らかなように、思考力の前提には「今まで積み上げてきた経験と知識」があります。
そこで、経験や知識が乏しい低学年のうちは、(思考力よりも)経験や知識を積み上げることに注力する方向が考えられます。
つまり、習い事やスポーツ、旅行等の経験や読書や漢字や計算などの知識面を強化することで、思考力の基礎を形成することが考えられます。
一般に、低学年段階で思考力を身に付けるのはなかなか難しいので、知識や経験の方にフォーカスする形で低学年の学習を進めるご家庭は多いと考えられます。
それでも(低学年で)身に付けたい思考力
低学年での思考力養成には限界はあるものの、「少しでも思考力を身に付けさせたい」と願う親御さんも多いと思います。我が家もそうでした。
そこで、下記に代表されるいわゆる「パズル系の問題集」や算数の難問集のようなものもやらせてみました。
今にして思うと効果のほどは疑問で、親の気休め的色彩が濃かったようにも思います。
ただ、本人が興味を持って取り組むことができる題材であれば、少なくとも粘り強く考える力は養われると思います。
低学年の子供なので「論理性」は期待できませんが、試行錯誤を繰り返しつつ興味を持って粘り強く取り組めるような問題が1問か2問あれば十分と言えるかもしれません。
粘り強く取り組めるものであれば、別に紙の「問題集」である必要もなく、ゲームや積み木などでも良いと思います。
避けるべきは、上記のような問題集をマスターしようとして、お子さんに必要以上に負荷をかけてしまうことです。
SNSなどで、応用系の問題集をスイスイ解いていくご家庭の様子を知ると心穏やかでなくなり、「我が家も…」と焦る気持ちになるかもしれません。
しかし、低学年レベルの難問と中学入試レベルの問題とは”まったく”別物であり、低学年時代に難問が解けるからと言って、中学受験に有利になるわけではありません。
応用問題集や難問集の類については、「数題取り組める問題があれば十分」という気楽な気持ちで、親子で楽しく取り組める範囲で活用するというスタンスが良いと思います。
親子で楽しめる学習ができるのは、低学年の特権だと思います。
中学受験準備が本格化してくると、なかなか親子で勉強を楽しむことが難しくなっていきますので。