本日の記事はこちらです。
ママ友とは距離をとる
「ママ友がいれば情報収集ができるという思いでしたが、実際には塾の先生に聞けばわかることがほとんど。ザワザワしたぶん、最初からママ友とは距離をとっておけばよかった、と思います」(Aさん)
過去の記事でも触れましたが、中学受験では「直接の比較対象」からはできるだけ距離を置くことが心の平穏を保つコツです。
「子供同士が同じ学校、同学年・同性のママ友」とは、少なくとも中学受験期間中には距離を保っておくことがお勧めです。可能ならば同じ塾の同じ校舎に通うことも避けた方が良いくらいです。
ネット情報による不安の増大
家庭教師のブログや、わが子の受験をつづった親のブログなどを多数愛読していたBさん。「算数はこれができないとまずい」「国語の読解力を上げるにはこの参考書が必須」などの情報を見るたびに、…(中略)… 「もし、成績が上がらずつまづいていると感じるのであれば、それは、何かの問題集をやっていないからではない」と西村先生は言います。 「塾に行っているのであれば、問題が足りない、なんてことはないんです。そういうことではなく、勉強のやり方が違っているか、子どものマインドの問題であることが多い。モチベーションが低下していたり、親子関係が悪かったりすることで、伸びるものも伸びないということが考えられます」
このブログなども正に「ネット情報」の雑音なわけですが 🙂
そもそも、「情報を色々収集しよう」というインセンティブが大きく働くのは、お子さんの成績等の悩みがある場合が多いので、余計に不安が募るわけです。逆に、順調に進んでいる場合は、情報収集の必要性は薄い。
この辺りはなかなか難しいのですが、「中学受験準備をしているのが10歳~12歳の子供である」という基本的認識に立ち返ることが大切だと思います。「不完全極まりない子供が、成熟性を問われる中学受験に挑戦している」という基本構造の認識です。
子供なので、サボったり、反抗したり、ミスしたり…これはある意味当然です。これらを否定するのではなく、(成長に合わせて)一つずつ、少しずつ改善していくというスタンスが良いように思います。
また、子供は大人と違って(適度な)手の抜き方が分からないので、あまりにもガチガチにやると潰れてしまう危険性があります。
学校の口コミ情報は断片的・主観的
同様にネット情報との付き合い方を後悔するのがCさんです。Cさんは中学校の掲示板サイトで口コミ情報を収集し、その情報を頼りに志望校を決めました。 「しかしいざ入学すると、実態と口コミ情報にかなりのズレがあることがわかり、騙されたような気分に陥ってしまいました」(Cさん)
中学の口コミ情報などのネット情報を頼りに学校選びをするご家庭も増えているようですが、これも頼り過ぎると危険ですね。実際、学校というのは入ってみないと分からない。
そもそも人間の認知には限界がありますし、また必ず主観的な要因が入ります。いくら事前に多くの情報を集めても、情報の断片性・判断の主観性から逃れることはできません。
さらに、コロナ禍のため実際に学校内部に足を踏み入れたり、学校内の様子を感じ取る機会が減っていたりするのも学校選びの難しさを助長しています。
「校風で学校選び」などと言われますが、そもそも一口で表せるほど単純なものではありません。また、学校全体の雰囲気よりも、所属学年やクラス、あるいは周囲の友人達といった小集団のサブカルチャーからの影響を強く受けるケースも多くあります。
ということで、考え始めるとなかなか難しいのですが、直感を重視するというのは結構重要だと思います。「直感」は様々な情報を瞬間的に判断しているので、案外侮れません。
実際に学校に行ってみて(お子さんが)「ここはないな」と感じたらその学校は志望校にしない方が無難でしょう。その学校で一日の大半を過ごすのはお子さんなので、志望校になりそうな学校にはお子さんと一緒に訪問することが肝要だと思います。
「直感」に加えてもう一つ重要と思うのは、入学後に「居心地の良い(小)集団」をできるだけ早く見つけることでしょうか。
入学したら、自分であちこち動き回ってクラスメートや(クラスの違う)同級生にも声をかけたりして、気の合いそうな友人(小集団)をできるだけ早く見つけることが大切なような気がします。さらに、学生生活の中で、居心地の良い複数の小集団を見出すことも重要だと思います。
例えば、親密な小集団内での関係性がギクシャクした場合、別の(それほど親密でない)小集団に一時的に回避するなどして冷却期間を置くことで、関係性の修復が可能となるケースもあると思います。たいていは時間が解決しますので。
生涯の友達となるような少数で深いつながりと同時に、多数の学生との緩やかなつながりを持つことができれば(どの学校であっても)充実した学生生活が送れるのではないかと思います。