【小4算数】予習シリーズ改訂と学習上の留意点(その1)

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すでにご案内の通り、今年から予習シリーズの改訂が行われてます。

今年から3年間かけて「4年生⇒5年生⇒6年生」と改訂が順次進められることから、現状では4年生の改訂後教材だけが販売されています。5年生(上巻)の改訂は来月には明らかになると思われます。

ということで、まだ改訂の全貌は分かりませんが、(判明している4年生の予習シリーズを前提に)現3年生以下のお子さんのいるご家庭に向けて記事を書いてみることとします。

来年以降「予習シリーズを使って勉強しよう」とご家庭の参考になれば幸いです。

なお、本記事はあくまで私見であり、四谷大塚の直営校や提携塾で勉強されるご家庭は、塾の指導にしたがって進めることをお勧めします。

予習シリーズラインナップ

現在の4年生の予習シリーズ(算数)のラインナップは、①予習シリーズ、②演習問題集、③計算、④最難関問題集の4種類となっています。

カリキュラム改訂年である今年は「週テスト問題集 4年」はありませんが、来年の4年生からは(前年の週テストを収録した)「週テスト問題集 4年」が発売されると思われます。

ということで、来年からは週テスト問題集を含めて5種類の教材群となります。

改訂ポイント

予習シリーズ4年生(算数)の改訂ポイントは以下の通りです。

進度がさらに早まった

前回の大幅改訂(2012年頃?)でカリキュラムの進みが早まったといわれる予習シリーズですが、今回の改訂でさらに進度が前倒しになっているようです。

例としては計算分野。

従来は4年生上巻で「小数の加減計算」と「(分母が同じ)分数の加減計算」を行い、下巻に入ってから「小数の乗除計算」、「異分母の加減計算」や「分数の乗除計算」を学習するカリキュラムでした。

しかし、新カリキュラムでは下巻に入る前にこれらを学習してしまう形になっています。

夏期講習でカリキュラムが進む

今回の改訂でさらに早くなった進度の吸収先になったのが夏期講習(教材)

従来、夏期講習期間中は新たなカリキュラムが進まなかった(下巻の先取り内容は多少ありましたが…)のですが、新カリキュラムでは8単元が夏期講習に組み込まれています。

(計算単元)
① 小数のかけ算とわり算
② 分数のたし算とひき算
③ 分数のかけ算とわり算
(文章題単元)
④ がい数
⑤ 差の集まりを考える問題(差集め算?)
⑥ ご石をならべる問題(数列? 方陣算?)
⑦ いろいろなならべ方(順列?)
⑧ いろいろな組み合わせ方(組合わせ)
※( )内は内容の推測

予習シリーズ(4年上)は総合回を除くと単元学習は16回、下巻は15回です。
なので上巻・下巻の約半分の内容が夏期に扱われることになり、かなりのボリュームになります。

結果、「上巻+夏期講習教材+下巻」で予習シリーズのカリキュラムが完結することになります。

したがって、(夏期講習に参加するかどうかは別として)少なくとも夏期講習教材を手に入れて勉強しないと単元学習に抜けができてしまう点に注意が必要です。

また、従来は復習期間としてフルに活用できていた夏休み期間中も、(カリキュラムが進むことから)復習に充てられる期間が減っている点にも注意が必要でしょう。

基本演習問題集が無くなった

従来(現5年生以上)は、演習問題集には基本演習問題集と応用演習問題集の2種類がありましたが、新カリキュラムでは「基本演習問題集」が姿を消しました

「基本演習問題集」は、問題集というよりも「予習シリーズ入門編」のような位置づけのテキストでした。基礎的な例題とトレーニング(複数の類題)が収録され、以下のような利用法があったと思います。

① 予習シリーズの例題が難し過ぎる場合の基礎固め教材
② 勉強が少し遅れてしまったお子さんの基礎を短期間で学習する教材
③ (中学受験までは考えていないが)学校の勉強+αの勉強をしておきたい方向けの教材

このような入門的な位置づけの教材が無くなってしまったことは残念ですが、このことから予習シリーズが「さらに上位層の生徒を意識した構成」になったと考えられます。

シリーズ「計算」は「計算特化型」教材に

予習シリーズの「計算」は、毎日1ページを目安に取り組む計算教材ですが、カリキュラム改訂によって、その名の通り計算特化型教材となりました。

従来の予習シリーズ「計算」は、①1頁に計算問題と一行題の両方が含まれていること、②1単元8回分で構成され、最後の1回分(一行題が中心)を(週の中の)どこかでやる必要があったこと、③計算方法等の説明がないことから、使い勝手にやや難があったと思われます。

今回の改訂では、①(一行題を含まない)計算特化型の教材になった、②1単元が7回で構成(=1日1頁ずつ進めれば1週間でちょうど終わる)、③計算方法の説明が加わったことから、だいぶスッキリした構成になったと思われます。

改訂されたカリキュラムに乗るために

さて、上記の通り予習シリーズが改訂されたことに伴い、新4年生までの準備が今まで以上に重要になったと思われます。

「さあ、新4年生から新たに頑張ろう!」と(四谷大塚系の)塾に入塾しても、それまで小学校の勉強以外やっていないということであれば、入塾早々ついていけなくなる可能性が大きい

小4からのカリキュラムにスムーズに乗るために、家庭学習などで身につけておきたいことを2点挙げておきます。

小学生分野の計算を(できれば)小3の間に終わらせておく

中学受験準備でよく言われるのが、「小学校の計算は、入塾までに一通りできるようにしておく」ということがあります。「公文算数F教材まで終わらせておく」などと言われることもあります。

怪しげな(都市伝説的)情報も飛び交う中学受験界ですが、計算先取りは多くの中学受験専門家も主張されており、かなり信憑性(汎用性)が高いと思います。計算の先取りに関しては、こちらの記事にも書いていますので、参考にしていただければと思います。

また、計算先取りは、単にカリキュラムが速く進むから必要ということだけでなく、算数の土台になるため重要であるという意味もあります。

計算が覚束なければ、授業中の(問題を解く)講師の説明にもついていけません

また、家庭学習などで算数の問題を解いているかなりの時間は、実は「計算している時間」です。したがって、計算スピードや正確性が予想以上に学習の質や量に影響を及ぼします

しかも、計算はやり方を習ってすぐにできるようにはなるわけではなく、習熟練習や習熟期間が必要となります。

予習シリーズ改訂前は、「(カリキュラムが進まない)小4夏休み期間中に頑張って、計算先取りの目途をつける」という追い込み型も可能だと感じていましたが、夏休みに計算(先取り)に割ける時間は従来ほど多くは取れないと思われます。

ということで、計算については、「(カリキュラムが本格化する)新小4前に一通りできるようにしておく」ことがより一層重要になった思います。

小4(上)の単元を少し予習(先取り)しておく

新小4で塾が始まると毎週新しい単元を学習します。算数だけならまだしも、4科目並行で新しい単元を学ぶのでかなり大変です。

この「大変さ」には徐々に慣れてくるのですが、これは大変さに「慣れてくる」だけであり、年々大変さが増してくることは間違いありません

小5になって振り返ると、「小4の頃は楽勝だったよな~」と感じ、小6になると「小5の頃はまだまだ余裕があったな~」と感じます。

いずれにせよ、新小4スタートでは少し余裕を持っておいた方が後々良いペースで進められるので、新小4スタート前に小4(上)単元のいくつかを軽く先取り(予習)しておくことをお勧めします。

予習用教材は何でも良いのですが、例えば、ジュニア予習シリーズ(四谷大塚の3年生向け教材)を使えば小4以降の予習シリーズにスムーズに接続できます。あるいは、現3年生で自宅から直営校舎が比較的近ければ予習シリーズ基礎力完成講座を利用することも考えられます。

なお、現小2生以下の方は、まずは計算先取りに注力することをお勧めします。それが出来たら徐々に手を広げていけばよいと思います。

 

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