中学受験、大手塾の限界…「コロナ禍を境に崩れ始めた」の内情

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大手塾の8つの強み

大手塾の強みとして、以下の8つを上げています。

(1)戦略的な学習カリキュラムと独自テキスト
(2)レベルに応じた授業の展開
(3)頻繁に実施するテスト
(4)入試の傾向分析と対策手法
(5)最新の入試動向
(6)学校の情報やパイプ
(7)自分の立ち位置を把握しやすい
(8)切磋琢磨できる仲間が多数いる

私はプロ家庭教師なので、塾に通わないご家庭もたくさん指導してきています。よって、(3)と(8)以外は対応できます

確かに、塾で頻繁に行われるテストと仲間との切磋琢磨というのは、個別指導や家庭教師では実現しにくい内容ですね。

多様化する中学受験

しかし最近、大手塾に頼らないご家庭が増えてきました。
1つには、勉強の仕方が多様化したことが挙げられます。今やどの家にもパソコンかタブレットがあり、塾に通わずともさまざまな授業動画を見られるようになりました。また、学習レベルに応じた参考書や問題集も毎年出版され、ネットでその評判を知ることができます。さらに、個別指導や家庭教師に対する考え方もハードルが下がり、利用する家庭が増えてきました。

別の理由として、中学受験に対する価値観の多様化も挙げられます。かつては塾の言うことは絶対で、授業の特訓コースをすすめられたら断れず、入試日程(出願する学校)も塾のいいなりという家庭がほとんどでしたが、今は「うちにはうちの考えがある」と、家庭が意思を持ち始めたのです。

(中略)

従来型の学習スタイルを追い求めるのか、新しい学習スタイルを構築するか―ここに正解はありません。大切なのはわが子に合う学習スタイルを見つけることであり、「なぜ中学受験をするのか」を明確にしておかねばそれを見つけることはできません。

多様化が思ったほど進まない理由

現在、労働集約型で高コストにならざるを得ない従来型の教育機関(塾や個別指導など)に頼らなくても、ご家庭の工夫次第で安価で質の高い教育を受けられる選択肢が目の前にいくつもあります。

しかし、少なくとも中学受験においては、広がったはずの選択肢の活用が思ったほど進まず、依然として従来型の教育機関(=塾)が主流となってます。

その原因は大きく2つあると思います。

一つは選択肢が増えすぎたが故に、かえって選びにくい状況になっているという状況です。

例えば、社内食堂の昼食メニューが「A定食、B定食、C定食」の3つしかない場合、ほぼ瞬間的に選べると思います。しかし、始めて行ったレストランで何百種類もの料理が掲載されたメニューを渡されると、途端に選択が難しくなります。どれを選べがよいか分からない

そこで、我々がとる典型行動は2つ。
一つ目の行動は、お店の人に「お勧めのメニューを聞く」こと。
そして2つ目の行動は、自分の周囲を見回して「他のお客さんが食べている同じメニューを注文すること」です。

仮にレストランに何百種類のメニューがあっても、我々がこうした行動をとる限り、実際にオーダーされる料理の大半は数種類に限定されるという可能性が高い。

さらに、多様化が進まない理由としては、記事にもあるような塾でしか得られない経験があります。

一人で自律的に勉強するというスタイルで進められる小学生は、非常に少数だと思います。そこで、子供が自然と勉強する雰囲気になるような「学習する雰囲気づくり」が重要な要因になります。そして、子供が最も勉強する気分になりやすいのが、皆が通って勉強している「塾」になります。

確かに、「塾に通ったからと言って勉強する」わけではありませんが、恐らく塾に行かなければさらに勉強しない。

「集団授業による非効率さ」、「生徒個々人に対する面倒見の悪さ」といったマイナスはあるものの、勉強の雰囲気という点を筆頭に、塾に敵う場所は見当たりません。

ただ、現状多様化はそれほど進んでいないものの、将来にわたってずっと今の状況が続くということも考えにくいTipping pointの例にもある通り、今まで目立たなかったトレンドが、ある時期を境に爆発的に広がるということもありうるわけです。

例えば、個々人の生徒のレベルに応じた学習メニューや進捗管理にはAIを利用し、教える媒体としては(基本的に)動画講義を使い、声掛け(モチベーションアップ)などFace2Faceのコミュニケーションにおいては(比較的コストが安く、子供と年齢層も近い)学生が担当し、生徒に対するワンポイント指導(質問対応などの短時間指導)や親とのコミュニケーションなどは、塾などで経験を積んだベテランが対応する、というようなサービス体制が構築できると、案外面白い存在になるかもしれません。

 

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