本日の記事はこちら ↓ 突っ込み所のある記事です。
● 言語習得には、途方もないほど膨大な時間がかかる
帰国子女でもなく、最近になってはじめて英語に触れたような子が、英語力を武器に世界で活躍することなどできるのでしょうか。
結論から言えばイエスです。ただし、中学受験など二の次にして、一定の時間、英語の勉強をしなければ無理でしょう。
スタートは早ければ早いほどいいですが、遅くとも小学3年生くらいから、1日4時間の英語学習をほぼ毎日やらないと、世界で通用する英語力は身につきません。トータルの学習時間として、1万時間は達成したいところです。
具体的に計算してみると、「4時間×6日×4週×12か月=1152時間」。つまり「1日4時間の勉強を週6日」のペースで続けても、約10年かかることになります。
英語だけ出来ても、世界は劇的に変わらない
「英語力を武器に世界で活躍する」とか「世界で通用する英語力」がどのような状況や内容を意味しているか分かりませんが、一つ確実に言えることは、「英語ができるだけで世界が劇的に変わる」というのは幻想に過ぎません。
英語を母国語としない(私のような)日本人の場合、日本語環境で出せるPerformanceと同等程度のPerformanceを、英語環境でも出せるようにすることが現実的な到達ポイントと考えます。
40年前とか50年前ならいざ知らず、「英語が(それなりに)できる」ということは、今の時代それほど珍しくないわけで、あまり大げさに考える必要はありません。
実際、英文メールやチャットを授受したり、英語を使ってビデオ会議をするなどということは、かなりありふれた日常になっています。
そして、メール等でやり取りする相手や(ビデオ)会議の参加者は、必ずしも英米人ではなく、ほぼネイティブ同等を言えるシンガポールや香港を除けば、我々日本人と同じようなノンネイティブ。つまり、中国人、インド人、韓国人などと一緒に英語を使って会議をするという日常になっています。
今や英語はノンネイティブ間でのコミュニケーションツールになっていると言えます。
1万時間は誇張数値
記事中にある(英語習得に必要な)「1万時間」というのは、下記の著書で有名になったMalcolm Gladwell の「1万時間の法則」をヒントにしていると思うのですが、英語の習得という点ではかなり誇張されていると思います。
実際、(ちょっと計算してみたところ)人生の中で最も英語漬けだったMBA留学期間中でも、英語に触れていた期間は1万時間に達しません。留学準備期間を含めても1万時間には届かず、中学時代に遡って(留学時代まで)通算してようやく1万時間に到達するかしないかというところでしょうか。
もっとも、MBA留学期間中は少なくとも約12,000,000words程度の英語(洋書の教科書、専門書、ケース、論文、英語のwebなど)は目にしている計算なので、この間に限ると英語nativeに勝るとも劣らない量の英語に触れていたと思います。
● 日常的に英語に触れる量を増やす
いい学習塾や英会話教室は人口の多い都市部に集まっていて、そうした地域に住んでいない子どもたちには、これまで大きなハンデがありました。しかし、今は本気で英語を学習したいという子どもにとって、ずいぶん平等な環境が整ってきています。なんといっても、英会話の対面学習がオンラインで受けられます。YouTubeでネイティブの会話も聞けます。ネットフリックスやアマゾンを活用すれば、海外の映画もいくらでも観られます。
こうした、安価または無料で使える素材をどんどん活用しましょう。オンラインで楽しめるコンテンツの普及は、英語学習に最も恩恵をもたらしているのです。
記事にある通り、英語学習や英語習得という点において、(ネットの普及等により)学習教材や学習機会に関する限り、ほとんど差がなくなったと言えると思います。
なので、こうした題材を用いて(興味のある対象を見つけて)どんどん勉強することが可能となりました。
1万時間は無理でもまずは20時間から始めてみるのも良いのではないでしょうか。