難化した『予習シリーズ』に挫折寸前、転塾か撤退検討中です

中学受験
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『Q. 中学受験塾に通う、ボリュゾ5年。第一志望に合格した上の子と同じ、都内大手塾に通わせています。しかし、『予習シリーズ』が改訂されて難化したせいか、親が見ても難しくなっていて学習ペースも早く、下の子はついていけていないようです。 このまま置いていかれてしまわないよう、面倒見の良さそうな小規模塾などに「転塾」するか、中学受験から「撤退」するか悩んでいます……。』

予習シリーズの改訂は2021年にスタートし、(6年下巻が発売される)2023年前半をもって終了しました。

その前の改訂は(10年遡って)2012年頃。この改訂によって、予習シリーズの進度が一気に速まったと言われていました。

今回の改訂によって、従来に増して進度が速まったため、「より上位層を意識した教材」になったと言えると思います。

私自身、「進度が明らかに速まっているのは算数だけで、他科目はそうでもないかな」と思っていたのですが、(新カリキュラムを見ると)理科は明らかに速まっているようです。

というのも、改訂前の理科は確か6年上巻の第3~4回までは単元学習があったと記憶しているのですが、新カリキュラムでは5年生の間にすべて終わっているように思えるからです。しかも、力学系の単元(滑車、てこ、バネ、浮力など)がかなり前倒しになっている気がします。

手元に当時のカリキュラムや教材はないので、私の勘違いかもしれませんが。

いずれにしても、予習シリーズを使う集団塾のカリキュラムは4科目同時並行で進んでいくので、これをこなしていける受験生というのは実際には1割ほどしかいないと思われます。

 

筆者の教え子の中にも、小5の難しい学習内容についていけず苦しんでいた生徒は何人もいます。しかし粘り強く繰り返し指導しているとだんだん理解が進み、対応できるようになってきました。また、小6後半に一気に精神的成長が進み、受験勉強に対する向き合い方自体が変わって、成績が伸びるようになった生徒も少なからず存在します。 そのためまだ小5の段階で諦めてしまうのは、早いと思います。

予習シリーズに限りませんが、単元学習をしている段階においては(余裕がある場合を除くと)他のテキスト等を使うことは避けた方が無難と思われます。

なので、予習シリーズが使い難いのであれば、まずはその欠点を補う使い方をすることを検討した方が良いように思います。予習シリーズの欠点は以下の2点です。

 ❶「パターン練習」が少ないため、定着が意外に難しいこと
    (逆に、少ない練習量で本質を掴める上位層には非常に便利な教材)
 ❷ 問題のピッチ幅が大きく、(適切な指導者がいないと)段階的な学習が困難なケースが
  生じること

 

なので、過去の記事でも触れたように、まずは現在通っている熟の先生に相談したり、あるいは、(塾に通わず予習シリーズを利用しているのであれば)お子さんに合った学習ルートを検討する必要があると思われます。

【私案】予習シリーズ(算数)の学習ルート
はじめに ブログ記事を解析すると、四谷大塚の「予習シリーズ」を扱った記事のアクセスがかなり多く、(改訂された)「予習シリーズ」への関心の高さが伺えます。 予習シリーズは約10年間隔で大幅改訂され、前回は2012年度~2014年度にかけて改訂...

なお、単元学習が終わった6年生以降は、(上位層向けの教材という)予習シリーズの特性から、必ずしも予習シリーズを使う必要がないケースもあると思われます。

算数に関しては、易し目の教材で短期間で基礎固めをし、入試問題練習に入るというルートも考えられます。

隠れた名著? 単問チェックシリーズ【東京出版】
中学への算数と言えば、難関中学を目指すご家庭向きの教材として有名です。 月刊誌の他に、難関中学を目指す受験生向けの以下のような教材が出版されています。 上記の教材は確かに質の高い教材なのですが、難度が高く使い方が案外難しいので、利用対象者は...

理科については悩ましいのですが、物理系や化学系の計算問題はパターンがある程度決まっているので、小6の夏~秋にかけて集中トレーニングすることで(一部の難関男子校以外は)対応できると思われます。

なお、理科や社会の暗記事項については、(何度も覚え直すことになるので)早めにスタートする必要があると思います。

 

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