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不登校(2023年度は30日以上欠席)の小中学生が過去最多の34万人に達したとのことです。
詳細なデータは記事末尾に掲載したとおりです。
統計データを見ると、不登校児童はコロナ禍で急増した後も増え続けており、11年連続で増加しています。
令和5年では1,000人あたり不登校児童が小学校で21.4人、中学校で67.1人となっており、状況はかなり深刻です。
また、小中学校合計の不登校データを都道府県別にみると、1,000人当たり26.6人~46.7人と幅がありますが、(中学受験の影響で)首都圏が特に高いというわけではないようです。
不登校児童の増加には様々な要因があると思いますが、スマホの影響というのがかなり大きいのではないかと思います。
モバイル社会研究所が2023年11月に実施した調査によると、小学6年生でスマホの所有割合が60%を超え、中学3年生になると8割以上の子供がスマホを所持しているようです。
大人でも(気が付くと)1日の相当な時間をスマホに費やしているような状況なので、子供の場合、大人以上にスマホ依存になっても不思議はありません。
夜遅くまでスマホを使ってゲームや動画を見ていれば、朝起きるのも辛くなるでしょうし、学校に行っても(疲れているので)勉強や遊び、更には友人との交流を楽しめなくなる可能性があります。
つまり、スマホの過度な使用による生活リズムの乱れが、学校生活に悪影響を及ぼしているのではないでしょうか。
もう一つ気になるのは、国際情勢でも見られる各種の「分断」現象です。
中東やウクライナをはじめとする国際規模での悲劇的な分断、さらには米国内でも起きている政治的分断など、世界中の様々な所で「分断」のリスクが高まっています。
そうした中、子供達が過ごす「学校」においても分断が生じているのではないか、と思うのです。
特に子供同士の(友人)関係の分断という側面で見ると、貧困(経済格差)やイジメという問題もさることながら、先のスマホ依存に関連して、ネット利用の影響が少なからずあるのではないかと思うのです。
子供時代のリアルな人間関係では、友達同士仲良くなったり時には仲違いをしたりする経験を通じて、相手のことを理解するようになるわけです。
しかし、ネット動画やゲームの世界では相手に対する気遣いは不要です。
面白そうなものだけ利用することができる(自分にとってツマラナイものはすぐ遮断できる)ので、自己中心的な傾向が強まります。
つまり、(相手を気づかう)面倒な人間関係よりも「自己中心的」で済むスマホの方が楽だから、リアルな友人関係に「無関心」になっているのではないかという気がするのです。
これが学校内における「ある種の分断」を生み、「学校に行っても面白くない」という雰囲気に繋がっているのではないか。その結果、不登校児童が増えているのではないか。
そんな感想を持ちました。
出典:令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(文部科学省)