大学受験と中学受験の違いは「反省できない」こと 先回りして考えられるのは親だけです

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大学受験と中学受験の違いは「反省できない」こと 先回りして考えられるのは親だけです 桜井信一の攻める中学受験(産経新聞) - Yahoo!ニュース
大学受験には反省があるのです。不合格になったとき、まずやるべきことはこの1年の反省です、と多くの予備校の先生が言います。そりゃそうでしょう。反省なくしてスタートを切れませんから。振り返ってみると

 

 大学受験には反省があるのです。不合格になったとき、まずやるべきことはこの1年の反省です、と多くの予備校の先生が言います。(中略)ところが、中学受験にはこれが許されていません。ずいぶん年上のお兄さんお姉さんたちが許されていることが、中学受験にはないのです。

中学受験(高校受験も同様ですが…)においては基本的に「浪人」はありませんが、大学受験の場合、「今年がダメなら来年」ということで(建前上は)再チャレンジが可能となります。

だからと言って、中学受験よりも大学受験が楽ということはないでしょう。なぜなら、中学受験の場合、(晴れて第一志望校に合格しても、そうでなくても)将来に大きな差が出ることはほとんどないと考えられるからです。むしろ、入学した学校が好きになり、楽しく学校生活を送ることができるか否かの方がはるかに重要だったりします。

一方、大学受験の場合、医師や歯科医師などを志す場合、医学部や歯学部に入学する必要があります。途中でこれらの学部に編入することも可能ですが、かなり「狭き門」だと思います。

(職業的に)数は少ないとしても、大学の学部選択と職業が直結してしまうケースがあるわけですから、大学受験は人生の分岐点になる可能性があります。

 

ここは間違いなく親の出番。親が先回りをして後悔を未然に防ぐ必要があるのです。理科が嫌いでなかなか手をつけていない。特に植物と人体のところは全然暗記できていない。気がつけば塾の宿題をこなすことがやるべきことになり、算数ばかりやっている。その算数も伸びていないのに、その原因は放置している状況。解いて解いて解きまくるという方法で改善を期待している始末。(中略)立ち止まってゆっくり考えたいけれど、立ち止まれない。立ち止まる勇気がないのです。これでは先輩の後悔と同じ経験をすることになる。でも根拠のない期待を捨て切れないのです。

「先回り」という点で重要なのは、中学受験塾に入る前の「計算」と「漢字」です。特に計算は、予習シリーズなどの構成を見れば明らかなように、入塾前に家庭である程度身に付けていることが暗黙の前提になっています。

一方、塾が始まると「親が先回りする」というのは、(理論上は可能かもしれませんが)現実的には難しいと思います。

なぜなら、子供がどこで躓くかが事前に分からないからです。
また、子供は日々成長しているので、(一見躓いているように見えても)急に分かるようになることが度々あります。

大人の場合、理解できないことが「自然に」理解できるようになる可能性は低いのですが、子供にはこれが当てはまらないのです。

一旦入塾すると、塾の授業はハイペースで進み、かつ、教材も膨大です。
よって、子供が消化不良になっているようであれば、(塾の先生に相談しながら)やるべきことの取捨選択を(事後的に)親が行うことは必要となるでしょう。いわば、塾カリキュラムや教材の「微修正」レベルの話です。

一方、塾のカリキュラムから大幅に逸脱したドラスチックな「学力再生プログラム(?)」のようなものを親が組んだらどうでしょうか。確かに、大成功する可能性もありますが、「これなら塾の指示通りにしておけば良かった」ということになる可能性の方が高いかもしれません。

一度、中学受験の波に飲まれると、毎週毎週の単元学習に追われます。
したがって、(単元学習が続く)4年生と5年生の間は、「走りながら考える」という形になるのではないでしょうか。

よって、単元学習が一通り終わるまでは、基礎部分に大きな穴を作らないように(騙し騙し…)塾のカリキュラムについて行くことが、(多くのご家庭にとって)現実的かつリスクの少ない方向性だと思います。

一方、新小6生は(塾によっては)単元学習が一通り終わり、複数単元をまとめた形での復習に入る時期と思われます。

個々の単元学習では比較的良い点が取れていても、範囲が広くなるとなかなか得点が難しくなってくる時期でもあり、点数的にも乱高下を繰り返す状態が夏~秋口まで続きます。

 

「単元学習そのものが弱いのか」、「理解が横断的に繋がっていないのか」…。

後者であれば特に急ぐ必要はありませんが、前者であれば(塾の先生に相談しつつ)対応策を考える必要もあるでしょう。

明日から春期講習が始まると思われますが、新6年生の親御さんはこの時期を利用して、以下のような事項を検討しておくことをお薦めします。

❶ 第一志望校との距離感(志望校別コースなどの参加条件)
❷ 苦手単元の特定、苦手克服の時期とその方法
❸ 受験候補校(併願校)の(仮の)ラインナップ(粗々の出題傾向まで確認出れば尚可)
➍ 塾以外の機関(個別・家庭教師)の利用可能性や利用を検討する時期など

新4年生は中学受験塾への通塾がスタートする時期、新5年生は学習内容が本格化する時期になります。

そして、新6年生は中学受験が「現実のもの」として徐々に実感が湧いてくる時期になるかと思います。

それぞれの「中学受験」を応援しています。