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低学年の通塾は習い事感覚で
首都圏を中心に中学受験がヒートアップし、入塾する年齢が早まる現象が起きている。(中略)そんな現状に対し、富永さんは、低学年から塾で学ぶこと自体は悪くはないが、「焦りからくる安易な入塾は考え物」と指摘する。
低学年から塾通いについては何度も取り上げられているテーマですね。
結論としては、低学年の「塾通い」は、習い事の延長みたいな感じが丁度よいと思います。言い換えると、「効果があるかどうかわからないけど、楽しく通っているなら良いでしょ」という位の親の余裕があると良いですね。
「楽しく勉強する」という目的ならば、(低学年からの通塾を)目くじら立てて否定する必要もないと思います。
さらには、最難関私立中学への進学実績が高いことで知られるサピックスでは、今年度、小学1年生、2年生の入塾募集を締め切った教室が続出しているそうです。サピまでいかなくても、就学前から公文式教室に通い始めるご家庭も増えています」(富永さん、以下同)
ところが、「習い事感覚」ではなく、「早い段階から中学受験ルートに乗らないと乗り遅れてしまう」と焦って塾通いをさせるのは危険ですね。
焦ってしまうと冷静な判断ができず、周囲に影響されたりしてドンドンエスカレートする危険性があります。
「習い事」の場合、各ご家庭では子供の適性や興味を考慮しながら、冷静かつ幅広い視野で選択をしていると思います。
ところが、中学受験はそうではなくなってしまう危険性がある。
「早く決めないと(入塾できないなど)乗り遅れてしまう」というようにデッドラインを決めてしまったり、「難関中学への合格」といった単一基準があたかもすべてであるかのように錯覚してしまう危険性があるからです。
結果、中学受験の世界において冷静かつ客観的な判断ができなくなる恐れがあるわけです。
個人的には、以下のように考えます。
② 早い段階から塾に中学受験の主導権を握られるのは、あまり楽しそうではない
③ 仮に、年長や低学年で特定の塾に入れないと成立しないような「中学受験戦略」があるとすると、その戦略は根本的に間違っている可能性がある
低学年で必要なこと
「低学年のうちは、塾で学習する時間は1回1時間半から2時間程度。公文式だと1回30分未満という人も多い。そうなると、放課後学習で主軸になるのは塾ではなく、家庭での勉強習慣になります。“とりあえず塾に入れておけば安心”と大船に乗った気持ちで家庭学習をおろそかにするのは極めて危険なこと。それこそ学習格差が開きかねません」 つまり、重要なことは、塾に入れることではない。いかにして家庭で最低限の補習を行うかが、カギとなるのだ。 とはいえ、低学年のうちは、学校から出される宿題すら逃げ回る子が圧倒的多数である。ここで、「勉強の遅れを取り戻さなきゃ」「落ちこぼれないように」などと不安になった親が勉強を押し付けると、かえって“勉強アレルギー”にさせてしまいかねない。他にもやってはいけない対応を、富永さんに教えてもらった。
低学年の間は、短時間でも学習習慣をしっかりつけることに尽きると思います。
塾通いは勉強を「楽しい」と感じさせ、勉強へのモチベーションを高めるためのもの。勉強へのモチベーションを高めるのは、別に塾でなくても小学校でも家庭でもどこでも良いわけです。
「学校からの宿題から逃げ回る子」が圧倒的多数とは思えませんが、もしそうであるならば、塾通いなどをするよりも、別の方法で学習のモチベーションを高める工夫が必要ですね。
子供を過剰に管理することは労多くして益少なし
ましてや、学習進度などを“管理”をするのはもってのほか。「たまに、Excelで学習進度を管理しているパパもいますが、子供は部下ではありません。受験学年の4~6年生ならまだしも、低学年の子は管理をされても、自由に生きようとします。
ある程度でき上った大人であれば、組織における指揮命令系統(ヒエラルキー)の中で、適切な管理の仕組みを利用してパフォーマンスを上げることが可能でしょう。
しかし、子供はどんどん成長していますから、ある時点での「管理の仕組み」を確立しても、すぐ使い物にならなくなります。また、子供は部下ではないので指揮命令系統による権威付けは期待できません。
「管理の仕組み」を詳細に作り込むのはかなり労力が必要で、仮に、そうした仕組みを(子供に合わせて)何度も作り直さなければならないとすると、自分の仕事ややりたいことを放り出して、自分の時間の大半を子供の管理に費やす必要が出てくるでしょう。
さらに、それだけ親が頑張って子どものために色々管理をしようと試みても、恐らく親が期待する効果からはほど遠い効果しか得られないでしょう。労多くして益少なしです。
まったく管理をしないというわけにもいかないでしょうが、「過度な管理」は、親子関係を悪化させてしまう危険性があると思います。