我が子を潰しかねない「父能研パパ」

中学受験
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管理人
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本日も中学受験関係の記事に関連して私見を述べさせていただきます。
「父能研」というネーミングが面白いですね。 😀

 

記事はこちらになります

 

「俺が何とかする!」中学受験で急増“父能研パパ”の圧が子供を潰しかねない 在宅ワークの父が子供部屋で仕事
コロナ禍でリモートワークの父親が自宅にいる時間が増えた。中学受験関連の著作も多い作家の鳥居りんこ氏は、「中学受験をするわが子の勉強や生活態度に口をはさみ、子供部屋で仕事をして、もっと勉強せよと圧をかける過干渉な父親が急増中です。点数・偏差値...

 

父と子の近すぎる関係

近頃は、子供にベタベタするというか距離感が近すぎる父親が増えています。わが子の力を信じようともせず、横に張り付いて手取り足取り。自分の思いどおりに動かそうとしているようにも見えます。これは能動的に動く力を子どもから奪い取る行為になりかねません。

父子(親子)の仲が良いということは一般的には望ましい状態ですが、度を超すと「過干渉」という弊害が生じます。

中学受験生を持つ父親は、年齢的に見ても、会社などにおける「マネジメント」職にあったりします。

そして、会社におけるマネジメントの方法論を我が子の受験勉強にも適用しようとする傾向があることは否めません。

さらに、私のように海外の大学院卒(MBAホルダー)だったりすると、さらに厄介な存在になりかねません。 😯

 

子供と部下は違う

会社などにおける「上司と部下の関係性」が成立するのは、上司が部下に対して(組織図上の)公式権限(Power)を有するからです。

「上司の言うことは絶対」とまでは言わないまでも、上司の指揮命令下にある以上、上司の指示に従うことが暗黙の前提となっています(そうでなければ、組織が成立しません)。

ところが、親子関係では上司と部下の関係は成立しません。父親が部下を数千人持つような経営者であっても、そんなことは子供には関係ありません。

そもそも、会社のマネジメントの関係を子供の勉強にそのまま持ち込むことには、かなり無理があると言わざるを得ないのです。

 

好かれる上司・嫌われる上司

ただ、会社でのマネジメント経験が子供の学習のマネジメントにまったく役立たないわけではありません。

会社でも、「好かれる上司」と「嫌われる上司」がいると思います。

人間(部下)の心理として、「好きな上司」から指示された仕事であれば、できるだけ早く、かつ、期待に添うように(時には残業などもして)入念に仕上げるでしょう。また、(非公式の)飲み会などに誘われれば、結構な確率でお供したりするでしょう。

一方、嫌いな上司であれば、指示された仕事の優先順位は低くなり、かつ、仕事面でも最低限のクオリティーで済ませてしまうかもしれません。飲み会に誘われても、色々口実を作って全力で回避するでしょう。

人間であれば当たり前なのですが、「好き」「嫌い」の差というのが大きく出るわけです。会社であれば嫌いな上司からの仕事であっても無下に断るわけにはいきませんが、(子供は素直なので)親子関係ではこの好き嫌いが非常に色濃く出ます。

つまり、子供に好かれている親(=信頼されている親)であれば、子供は親の言うことをよく聞く(可能性がある)ということが言えます。

なので、子供との信頼関係を構築する方が先です。

 

 主客転倒の危険性

自分が10代だった頃の価値観で学校を評価する父親ですね。当時とは全く違う受験環境であることを受け入れず、自分で描いた進路をわが子に押し付ける父親は少なくありません。

志望校は中堅私立中高一貫校だったが次第に「有名(難関)校へのチャレンジ」という目標に知らぬ間に置き換わったそうだ。背景には、指導する進学塾にとってはそのほうが「チラシに載せられる(=宣伝になる)」という大人の事情もある。

私自身は中学受験未経験だったので、「自分の頃と比較して…」ということはなかったのですが、「自分の思い描く進路」を子供に押し付ける危険性はあります。

その進路は自分が進んできた進路であったり、自分が実現できなかった進路だったりするわけですが、そうした進路が「(数ある)一つの選択肢」という程度の位置づけであればよいのですが、何か「最善の道」を見出そうとするとかなり危険です。

中学受験では、「塾の考える学校の序列(≒偏差値の順)」が明確にあります。要は、塾として(合格実績が)「宣伝になる学校」と「そうでもない学校」があるということです。

例えば、「A校>B校>C校>…」という偏差値の序列があれば、塾は(C校よりも)A校の合格実績の方を好むわけです。

ご家庭が中学受験をする目的は、「自分の子供にとってベストな選択」をすることにあるわけですが、「少しでも良い所へ…」という思いが強く、偏差値の序列を模擬試験のたびに見せ続けられたりすると、いつの間にか「塾にとって最善の志望校選び」へと変貌してしまいます。

もちろん、上を目指すこと自体は良いのですが、「最善ルート」への執着が強くなればなるほど、そのルートから外れてしまうことへの恐怖感も高まり、親子のストレスも高まっていきます

その結果、以下のような事態になります。

Kさんは、いつのまにか塾にお金を投資しているような気になり「難関中学合格」こそが、その「リターン」であるとの思考法になっていく。

 

「私は本当に最悪の親でした。娘を煽りに煽って、成績が下がると感情的になって『塾なんかやめろ』『中学受験させない』と罵倒する最悪なループに陥りました。いつのまにか、当初掲げていた方針『6年かけて、娘をじっくりと育ててくれる学校に行かせたい』が『何が何でも難関校』にすり替わって、家族全員が苦しくなりました』

 

 中学受験に答えがあるとしたら…それは個々の家庭にしかない

中学受験は親にとっても子にとっても試練だ。だが、子の成長を促す大きな起爆剤となりうるとともに、親にとっても親としての成長を感じるライフイベントでもある。中学受験に挑む“家族の物語”は千差万別である。その道は平たんではないが、道に迷った時は「何のために受験するのか?」という初心に戻るといい。その都度、親の本当の意味での役割を夫婦で話し合っていくことが大切なのだ。

確かに、塾をはじめとした教育機関は中学受験において重要な役割を果たします。

ただ、中学受験を経験したお子さんは、(最終的には)塾にとって「ある年度の『〇〇中学合格者の中の1人』という統計数値の一部」を構成する存在に過ぎません。しかも、数年すればほぼ忘れ去られてしまうでしょう。

しかし、ご家庭から見たお子さんは単なる統計数値などではなく、「世界で唯一の存在」です。

中学受験に答えがあるとしたら、それは個々のご家庭の中にしかないと思います。

 

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