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中学受験に挑む場合、カギを握るのが塾選びだ。大手塾から個人塾まで数ある中で、どんな基準で塾を選べばいいのだろうか。また、入塾後は何を心がければいいのだろうか。『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』(朝日新聞出版)では、ウェブサイト「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員でもある教育家の小川大介さんに取材した。
我が子(の学習スタイル)に合った塾選び
「塾によってそれぞれレベルや指導方法などは違いますから、お子さんの性格などによって合う、合わないは当然あります。塾選びで失敗しないために最も大切なのは、お子さんの学習スタイルを理解しておくことです」
「塾の知名度や合格実績だけを見て『あの塾に行けば成績が上がって志望校に合格できる』と考え、失敗するご家庭がたくさんあります。
塾選びの際に最も気になる項目の1つに「合格実績」があります。
確かに、「△△中に〇〇人」のような、輝かしい合格実績を目にすると、その塾に通えば「志望校に合格できる」気がするものです。
もちろん、合格実績の優れた塾はカリキュラムや指導方法も優れていると思われますが、「最初からできる子供たちが通っている」という事実を認識しておく必要があります。
また、〇〇人合格というのは単なる過去の統計値。
ご家庭の関心事は、「自分の子供が受かるかどうか」であり、塾の合格実績の上下は極論すればどうでも良いわけです。
大手塾以外にも、地域密着型の小規模塾や個人経営の塾が子どもたち一人ひとりに目を配るきめ細かな指導を行っているケースも少なくない。思考力や表現力、コミュニケーション能力といった「21世紀型スキル」を問う「新タイプの入試」で受験する場合は中小規模塾のほうが対応力を備えている場合もあるので、広い視野で塾を探す考え方も大切だ。
塾選びに際しては、大手塾でなく小規模塾も含めて幅広く情報収集をしておく必要があるということですね。
実際に体験してみる
実際に塾を選ぶ際は「ぜひ見学に行ってください」と小川さんは提案する。(中略)その際は見学に行くタイミングも重要だという。「実際に授業が始まる前、もしくは終わりかけに面談を始めて、授業前後の校舎の様子に触れるのがいいと思います。通っている子どもたちの姿が垣間見られるので、お子さんも『ここは楽しそう』『ここは嫌だ』と感じ取れます」
確かに、生徒が誰もいない静かな雰囲気の中で面談するよりも、授業前後の時間帯に面談をした方が塾の雰囲気は分かると思います。
また、大手塾の場合は校舎によって運営方針などが異なるケースもある。小川さんは、「同じ塾でも学びやすさが違う場合があるので、通塾できる範囲内に複数の校舎がある場合は、それぞれを見学して比較したほうがいいですね」と指摘する。
確かに、校舎の自由度(裁量幅)が大きい塾と小さい塾がありますね。
同じ塾でも校舎によって相当違っていて、「本当に同じ塾?」と感じたこともありました。
家庭におけるサポート
さらに、塾が求める家庭での学習負担を、親としてサポート可能かどうかも判断しなければならない。家庭での十分なサポートが必要な塾の場合、特に共働き家庭にとってはハードルが上がる。小川さんは「お子さんが気に入った塾だったとしても、家庭で求められるサポート量に対応する自信がないときは、別の塾を選んだほうがうまくいくこともあります」と話す。
塾に任せて(通わせて)おけば「何とかなる」というのは幻想です。大なり小なり、家庭でのサポートは欠かせません。
ただ、ご家庭でできる限度はあるでしょう。
その場合には、①外部機関(個別や家庭教師)に頼るか、②できる範囲に絞ってサポートする(サポートし過ぎない)のいずれかの選択をする必要があると思います。③限度を超えて家庭でサポートをし続ける、という方法もありますが、これはあくまで短期間しか通用しません。
限界を超えたサポートが長期間続けば、家族が疲弊したり、親子関係が極端に悪化したりする危険性があります。
お子さんに合った塾を選ぶという視点も必要ですが、「低学年から勉強習慣をつけ、自学自習スタイルに少しでも近づけること」により、塾の選択肢も広がると思います。