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公文は小3でF教材か?
おおた (中略)きょうこ先生は「5年生の夏までにはF教材(小学6年生相当)」と書かれていますが、以前、僕が公文の本を書いたとき、「3年生までにF教材」と書いたんです。というのも、F教材は分数と小数の四則計算なので、中学受験で有利な条件として働かせるのなら、塾に入る前までに、欲をいえば3年生までに、と補足したいんですけど、どうでしょう?
安浪 公文は一人でどんどん進んでいけるから、3年生でF教材を終えるような子はそれなりに優秀です。(中略)私が「5年生の夏までにはF教材」と書いたのは、計算の苦手な子が4年生で塾に通い始めたとき、塾の計算テキストだけでは限界があるから、という文脈だったんです。
定番の「塾に入る前の計算先取り」の話題です。
以前、予習シリーズの改訂に関する記事でも触れましたが、(今回の)シリーズ改訂でさらに進度が速くなったことから、「小学校で習う計算については、入塾前までに一通りできるようにしておいた方が望ましい。」と思います。公文式で言えば「小3(入塾)までにF教材」です。
一方、「5年夏までにF教材」だと、進度の速い進学塾の場合にはカリキュラムについていけない可能性が大きい。この場合には、少しゆっくり目の進度の塾を選ぶ感じになると思います。
塾では計算トレーニングなどはわざわざ時間を割いてやってもらえないのが通常です。なので、お子さんが(家庭のサポートの中で)自力でやらなければならない。どの道家庭でトレーニングするわけですから、少し早目に手掛けておいて損はないと思うのです。
また、計算が遅い(あるいは正確でない)と単に計算問題が解けないだけでは済みません。
なぜなら、算数の勉強時間のうち実はかなりの時間が「計算している時間」だからです。
まず、計算が遅いと授業中の講師の説明(=論理)まで頭が回りません。講師の説明スピードに計算スピードが追い付かないからです。
次に、(計算が遅いと)算数の勉強に時間がかかります。例えば、朝の計算練習。
毎日の計算トレーニング教材は、通常、数分~10分程度で終わるウォーミングアップ用教材として塾から課されます。ところがここで20分とか30分使ってしまうと、本来やるべき勉強が侵食されてしまう。
さらに、計算が速くて正確な場合、そうでないお子さんより1.5倍、2倍、3倍…とより多くの問題が解けます。同じ時間勉強しても、演習量に差が生じてしまうのです。
国語の入試問題
安浪 はい、それはありますね。(中略)でも、1つ言わせてもらいたいのは、過去問を解いて、相性がよいか悪いかがわかるのは、6年生の秋以降ということ。それ以前に解いても、相性の「あ」の字もわからないはずです。すごく行きたい学校があって、どうしても早い時期に過去問を解きたいのであれば、子どもではなく、親が解くのがいいと思います。過去問集はすぐに売り切れてしまうので、早く買いたくなる気持ちもわかるのですが……。
おおた 過去問集、そんなに早く売り切れちゃうんですか?
安浪 増刷しないから、書店からすぐ消えてしまうんです。早いうちに過去問を買って、「やってもいいこと」といえば、国語の問題に親が目を通すこと。国語でどういう文章を出しているかで、その学校のスタンスがわかります。
確かに、相性の良し悪しが分かるのは、実際に過去問を解く段階(概ね小6の秋以降)ですね。
なお、国語の入試問題ですが、現小5生で少し余裕があれば、入試問題を週に1~2題程度を目安に読む練習を取り入れると良いかもしれません。
普段のカリキュラム学習で忙しい場合は、冬休みや中学入試期間中で塾が休みの時などがお勧めです。
読むジャンルとして、普段は読む機会の少ない(=慣れていない)説明文の方が良いと思います。例えば、2022年度受験用 中学入学試験問題集 国語編 男子・共学校 (中学入学試験問題集シリーズ)などを使うと、様々な文章に触れることができます。
なお問題(設問)を解く必要はまったくありません。読むだけでOKです。
親子で読んでみて、分からない言葉や背景知識を説明したり、要旨を考えてみたりすれば尚良いと思います。