本日の記事はこちら↓ 学校選びの質問に関する対談記事です。
■小学生に自分に合う学校なんてわからない
矢萩:僕の教室の生徒さんたちを見ている印象では、子どもが持っている情報は圧倒的に少ないですよね。子どもは現実的に未来のことを想像することが苦手ですから(中略)。保護者の方は説明会に行くと「この学校の出口(進学先)はこんな感じなのね」と、肝心の学校生活よりも、その先にリアリティーを持ってしまったりするんですが(笑)。
安浪:同感です。小学生に自分に合う学校なんてわからないですよ。子どもが「行きたい学校」というのも、学校や塾の友達同士の聞きかじりの知識で勝手に自分の中で作り始めることが多いです。そもそも子どものほうが親よりも知名度や偏差値にこだわったりすることもありますし。
確かに、小学生の子供は未来を想像するということはまったく苦手ですね。というか、そういう発想すらないですね。 🙂
一方、親の方は、6年間の学校生活を通り越して、その先の進学実績に目が行く傾向がある、というのはまさに指摘のとおりです。思わず苦笑してしまいます。 😉
実は、6年間の学校生活をリアルに想像できる家庭というのは極めて少ないのではないでしょうか。
また、親は学校選びに関して偏差値に振り回されがちですが、子供自身も塾の友達や塾の雰囲気、親の会話などの周囲に感化され、学校の知名度や偏差値にこだわりを持つこともある、という指摘は重要だと思いました。
■第六感は侮れない
安浪:あとは「何となくよかった(イマイチだった)」というのもあるあるです。その場合は、親が言語化してあげると「たしかに、駅から学校までの雰囲気がイヤだった」など明確になることもあります。でも、言語化できない第六感で学校を評価している場合も侮れません。だからこそ、親御さんが感想を聞くときは、そういった子どもの素直な感想も尊重してあげてほしいです。
学校見学に行くと「いいな」と思う学校もあれば、「イマイチだな」と感じる学校もあります。面白いのは、親子でも学校の印象がかなり違っていたりすることです。もちろん、1回行っただけの印象が正しいわけではありませんが、意外と重要な気がします。
また、複数の学校を訪問することによって、前に訪問した学校の印象や評価が変わることもあります。
学校選びはなかなか難しいと思います。
絶対確実な学校選びというものはないと思いますが、一つ言えるのは(時間の許す限り)できるだけ多くの学校を見て回った方が良いと思います。多くの学校を見ることで(ご家庭にフィットした学校選びの)感覚が養われていくように思います。
安浪:そういったことがない子たちでも、6年の秋冬頃には最終的に「ここに行きたい」という気持ちになってきます。いくつかの学校を見たり、塾の先生におすすめされたりするなかで、親が何となくこのあたりの学校かな?と赤本を買ってくる。その赤本のタイトルを見ているうちに、それが志望校になってくる感じですね。
確かに秋頃になると、学校名を冠した学校別コースなどが開始されるので、子供にとっても「中学受験が現実化してくる」時期ですね。
また、(第1志望校だけでなく併願校を含めて)赤本に取り組んでいると、赤本のタイトルを見ることで、志望校(の一つ)として脳に刷り込まれていくという感覚も確かにあると思います。
■子どもが爆発的なパワーを出すのは
矢萩:学校選びに話を戻すと、子どもの性質やどんなことを大事にしているか、あるいはどんなことが嫌か、というところをちゃんと見てあげることも重要だと思っています。(中略)本人が納得しているなら我慢できることなんでしょうが、学校に対して積極的になれていない場合、通学がつらいことが引き金になって、学校自体が嫌になってしまうこともある。それは非常にもったいなと思います。
安浪:あとはやはり、親御さんの価値観でしょうね。どういう6年間にしたいのか、受験してまで行かせるならそこに何を求めるのか、家庭の軸を持っておかないと、どこの学校に行っても同じように素敵に見えてしまいます。
矢萩:親も子も受験を通して自分軸を作ることが大事です。軸がなければ選べないし、軸があったら逆にどんな学校行っても「置かれた場所で咲きましょう」じゃないですけれども、その場所を最大限に活用して生きていくことができると思います。
学校選びにおいて「家庭の軸」を持つことの重要性が指摘されています。
確かに、「軸」を持つことは良いことだと思います。
しかし、あまりそれにこだわらない方が良い、と個人的には思います。
「一度決めた軸でも変更しても良い」と思いますし、むしろ、あまり軸を決めずに「間口を広げておいた方が良い」と思うです。
「どの学校に行っても素敵に見える」と思えることは、(それだけ間口が広いということなので)とても大事なことだと思うのです。
昨年行われた文科省の調査によると、中学生の不登校率は5%(1,000人あたり50人)に上ります。コロナ禍の影響もあって前年を大きく上回っています。
不登校率が5%ということは、1クラス40人~50人として平均2人あるいは3人は不登校(学校を休みがちなケースを含めて…)の生徒がいるということになります。
実際、子供の通う学校(クラス)でも似たような状況であり、同じ子供を持つ親としても心が痛みます。
ストレス耐性と同じ構造だと思うのですが、同じ環境にいてもそれがストレスになったり、あるいはむしろそれを楽しんだり…。
同じ言葉を交わしても、それによって傷ついたり、何も感じなかったり…。
「感受性」というのは、個人差が相当大きいと思います。それを見極められるのは、親しかいないのかなと思います。
朝は(なかなか起きてこないので)何度も起こしに行ったり、親に小言を言われてもどこ吹く風、反抗期真っ盛り(?)だったりする我が子ですが、今のところは学校生活を楽しんでいるようなので、その「鈍感力は良し」とすべきなのでしょうか?